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棒針袋の作成に着手する

 ここまで考えてきてひとつ気になり始めたのが、玉付き棒針は棒針箱に入れない方がよいのではないか?ということ。
 箱に重ねて入れてもそう重くなるわけではないけれど、まっすぐな針の上に玉付き棒針を重ね、更にその上に針を重ねると、玉付き部分の影響で針が曲がりそうな気がした。だが玉付き棒針を除いてしまえば曲がらずに済むのではないだろうか。
 ならば玉付き棒針の収納方法は、長すぎて箱に入らない分と併せて別の方法を考えた方がよさそうだ。それこそ細長い巾着袋に入れてどこかに吊るすのがいいのかな。同じ号数の針が複数の場所に分散することになるけれどしょうがない。

 で、試作。
 手持ちの布で両面を1枚に続けてとれない長さのものがあったので、表面・裏面を別々に用意しなければならなくなった。ので設計図を修正。というか、いちばん最初に書いた設計図は実はこれなのだが。書いたあとで「1枚を畳んで使うから下辺の縫い代いらないじゃん」と気づいて直したという。
 まずは布を切る。わたしは布を切るのが難しいのでロータリーカッターを使う。
 おお、これは簡単。カッター感覚で切れる。こりゃいいや。かなり昔に買った限定デザインの代物が長い時を経て活躍の場を得たわけだが10年以上寝かせていた気がするぞ。でも刃は劣化しているわけでもなく、なんなら一緒に買った替刃もある。替刃まで買って10年以上放置ってどうなのか。

 罰当たりを自覚しつつ、無事に裁断できた布の縫い代を折りアイロンをかける。
 ……が、紙のようにきちんと折れてくれない。

 いや折り目はつくのだが紙とは違ってしっかりしていないし、布端が折れたままにならないのでまことに不安定。これ、ある程度の時間が経ったら折り目の筋が薄くなり折り癖も弱くなってどこで折るのかはっきりせず、もういっぺんアイロンをやり直しになるパターンでは。

 というわけで、四辺を折って手芸用クリップと待ち針で留めてすぐミシンをかける、という方法に変更した。
 当初はひとつだけ試作する予定だったのに、ひとつ縫って完成形のように折り曲げて収納箱に合わせて「これでいいや」と判断して残りの布を片っぱしから縫い合わせた。なのでいま手元にあるのは、あとはポケット部分を折って両端を縫い合わせれば完成、という状態のものである。
 アイロンで折り目をつけたら待ち針で留めておけば済むじゃないかという話なのだが、留めていない部分の折り目が開いてくるのですぐ縫わないと駄目だと判断し、折り目を保持するために3cmおきに待ち針を打つのはさすがに面倒だし、まあ、いろいろ厄介でめんどくせえなと投げやりになったのだ。
 紙は折り目がついていれば開いてもすぐ元に戻せるのに、なぜ布は折り目はつくのに元通りに折ろうとすると簡単にずれてしまうのか。しかも、ついた折り目は広げてアイロンをかけてもなかなか消えないし。とにかく布というものと相性が悪いのだと実感させられる。

 ちなみに、型紙を布の裏側において縫い代のしるしをつけるのも最初の1枚で断念した。なぜ布は、しるしをつけるべくチャコペンをはしらせると布にひっかかるのか……ひっかかって曲がって布にしわが寄って、もうやってらんねえ。
 早々に投げ出して目分量で縫い代を折り、アイロン定規など持っていないのでフリーハンドで調整しながらアイロンをかけ、型紙をできあがり線で折り曲げて布に合わせて残りの三辺の縫い代をだいたいで見当をつけてアイロンをかけるという、大変に雑なやり方でやった。唯一丁寧にやったのは、ミシンをかける前にできあがり線で折った型紙を重ね、求める大きさで折り目を留められたかを確認したことである。

 こんな状況だったので、ポケット部分を折ったら表と裏の布端がずれるのではないか、ならばまずポケットの端を縫ってポケット部分を折ってから布端を合わせよう、という発想はどこかに飛んでいった。
 ポケット部分を折った状態で三辺を縫うという案ももちろんご破算。とにかく折り目が不安定な四辺を縫い合わせるだけで精一杯だったのだ。

 いったい小中高で学ばされた家庭科の時間はなんだったのか。上下が分かれた襟なし前開きパジャマとタイトスカートとクロスステッチのクッションと乳幼児用のタオル地の簡易ワンピース及び枝豆の布玩具(外だけでなく中に詰める布製ボールも)を作らされたが、何ひとつ、まったく役に立っていない。役に立っているのは、ダーツが何かという知識のみだ。
 そして今は、家庭科の授業で微塵も学習しなかった編み物がたぶんいちばん得意な手芸で、料理はできるが包丁の持ち方は自己流。いま必要としている技術は正しいのこぎりの使い方。家庭科の時間に男子が受けていた授業(「技術」だっけ?)を受けたかった。



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