モチーフ編みの糸始末が楽しい。
11段すべてで色替えをするので、1枚につき22か所の糸始末が必要になる。数字にしてみたらびっくりした。なんてめんどくさいんだ。 でも、どういうわけだか未だに面倒に感じない。現時点でモチーフは10枚あるが、一度たりとも面倒だと感じることはなかった。とりたてて何が楽しいわけでもないし、どうすればきれいに仕上げられるかという試行錯誤があるわけでもない。
ただ淡々と糸始末。どうやらそれ自体が楽しいようだ。飛び出した糸端が束になってふさふさしているのを眺めて悦に入っているような気配もあるし(普通は編み目を眺めてそうするもんじゃないのか?)、最後の1目を編んだら糸を引き抜いてチェーンつなぎをするあたりから気分が高揚し、各段の糸始末を始める段階で妙に心躍ったりしている。
具体的に何が自分をそうさせるのかはわからない。が、わからなくても別にいいか。理由がどういうものであろうと、糸始末を面倒だと感じずに済むのは僥倖である。編むだけ編んで糸端がそのままに放置されてしまうよりはずっといい。
糸始末に限らず、モチーフを編むことはいい気分転換になっているようだ。棒針で特に問題もなく編めていても、やはり元来の苦手意識はまだまだ消えていないようで、モチーフを編んでいるといかに棒針編みのときに神経を使っているのかがよくわかる。
モチーフ編みではかなりリラックスしていながらも適度な注意力をもって編めているので、なんというか絶妙な感じがする。集中しているつもりはないのに、モチーフ10枚のうち編み直しをした目の数は片手で足りる程度。使う色の勘違いは1回だけ。棒針で110段編んだらいったい何回間違えたりやり直したりすることになるのか。
などと思っていたら、盛大に間違えた。
最終段で「毛糸が足りないような気がするな」と思ったら、まったく同じものが既にあった。同じものを絶対に編んではいけないというルールを決めていたわけではないし、最終段のみ色を替えて済ませたので別にいいのだが、どうして気づかなかったのか……。
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