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全ほどきの危機

 現在の半袖プルオーバーの状況。
 前後の身頃と片袖が完了。あとはもう片方の袖と、前立てと、襟を編めばひとまず編む作業はおしまい。

 なんだけど。
 残りの毛糸、これだけ……

 足りるか? 片袖と前立てと襟。

 文字通り、血の気が引いた。

 実は編み始めのときに正確な毛糸の量を確認していない。というのも、この毛糸は半袖プルオーバーを編むために買ったので、当然ながら編み図に記載の必要量を買っていたはずだから。

 が、それは本当にそうなのか、と疑問がわいた。
 もしかしたら、少し小さめに編むつもりで少なめに買うという無謀なことをやらかしていたかもしれないし、「きつくなりがちだから(昔はゲージに合わせるために棒針サイズを変えるという発想がなかった)」という理由で少なくていいやと考えたかもしれない。

 片袖は50gくらいなのでもう片方の袖に2玉使うとして、残りの1玉と10gで前立てと襟が足りるか? どっちもゴム編みだからそこそこ量が要るんじゃないか? これで足りるか?

 まさか……全部ほどかないと駄目なのでは。

 とっくの昔に廃番になった毛糸だから追加できないし、似たような糸を見つける自信がない。うめきながら頑張ったこれが全部パー?
 めちゃくそ頑張ったのに……

 と思ったら。
 無意識のうちに脇にどけていたこの毛糸玉、肩はぎをするからというのでそのままつなげておいたやつ。
 なんだ、これまだそれなりに残ってるよ……ならばこれまでの努力が灰燼に帰すことはないだろう。

 ほんとに焦った。編み物こわいな。