指先がとんがりコーンみたいな手袋を編みたいわけじゃないぞ……
こうなってしまった原因は、作り目の数を見誤ったが故。
手袋の人さし指の目数を数えたら1周20目で、指先をじっと眺めて「スタートは1周4目くらいかな」と思ったのだ。
それで、毎段の最初でかけ目をして増やしていったらこうなった。いくら実際より太い毛糸を使っているといってもさすがにこれは変だ。
しかも1周16目になるまで編んだ。編むのに必死になりすぎて、とんがりコーンが出現していることに気づかなかったのである。
3段目を終えた時点で袋編みから輪編みに変更したことも大きいだろう。
袋編みでは筒状の編み地を平たくつぶした状態で棒針にかかるので、指先のカーブがわかりやすい。
だが輪で編むと、意識的に確認しなければカーブの角度がわかりにくいのだ。こんな小さなものなら尚更である。 途中から輪編みに変更したのは、前回の投稿に載せたもののあとに作り目を4目で試し編みをしたところ、両端の目(各段の最初でかけ目をした部分)がひどくゆるんでしまったからだ。
なのでいったんほどき、次はかけ目の部分を次の段で編むときにねじり目にしてみた。しかし結果は変わらない。
以前の袋編みのバッグでも両端がゆるむ(このときはかけ目ではなかった)という経験をしているので、自分の編み方に問題があるのだろう。なんといっても普通に編んでいても端の目というのは苦手意識がある。
最初の目をすべり目にすれば解決するのだが、袋編みではその策は取れないので、輪編みにすればいいんじゃねと考えたわけだ。
輪編みに変えることで、「段の最初はかけ目」という単純な編み方では済まなくなった。そりゃそうだ。筒を半周ずつに分けるように編んでいたのを、1周として編んでいくわけだから。
というわけで、「かけ目、1、2、3、4、5、かけ目、1、2、……」と数えながらひたすら編むことに。輪は小さいし、使っている棒針はいつものシンフォニーウッドほどには尖っていないし、毛糸は撚りがゆるみやすくて糸割れしやすいし、と、指先のカーブの具合を確認する余裕もなくひたすら編んだ。
そしたらとんがりコーンのできあがりというわけで……。
写真ではよく見えないが、両端の増し目の部分は手袋とは目の様子が違っているので、また編み方を考えなければならない。どうやれば毎段増やし目をしていけるのか。夜中の3時過ぎまで頑張った挙げ句がとんがりコーンとは。しかもこれ食えないし。 が、ひとつだけ発見がある。
すぐ上の写真は編んでいる途中に撮ったものだが、棒針の境目にあたる部分に驚いた。目数を数えて必死になるあまり、境目で目がゆるむことなど考える余裕などなかったのだが(いま問題にしているのはかけ目で増やすことなので、境目は別にどうでもよかった)、見事にゆるんでいないのだ。
「ゆるまないよう意識しなかったことが却ってよかったのかもしれない」と思った。意識しすぎて失敗する例は編み物に限らずよくあることで、もしかするとこれまでの棒針の境目のゆるみは、気にしすぎたのが逆効果だったのではないだろうか。
ただし、この毛糸を使って棒針で筒状に編んだことはないので、この毛糸が「境目がゆるみにくい」という特性を持っているのかどうかはわからない。そんな特性がこの世に存在するかどうかすら謎だ。
それでも、意識しすぎて逆効果になる可能性に気がつけたのは僥倖だろう。意識しない方がうまくいくというのは、ある時点から開き直って生きてきた自分の経験を振り返るまでもなくわかっている。
よし、次に4本針や5本針で編むときはなんにも意識しないで編もう。
あ、でも、目のきつさやゆるさは気をつけないとな……でかい靴下の編み直しは繰り返したくない。
コメントを投稿
別ページに移動します