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編み目の見え方

 昔から近視性乱視というやつで視力が悪いのだが、何年か前からは眼鏡をかけていると近くが見えにくくなってきた。そのため細かいものを編むときは眼鏡を外し、だがそうすると机の上の編み図が見えないという(裸眼視力が0.1未満のため)面倒な事態になっているので、去年はじめて遠近両用の眼鏡をつくった。
 が、こういう目の状態なのに低価格が売りの眼鏡店で作ろうとしたことに無理があったのか、手元がろくに見えない。遠くも焦点が合わせにくい。とどめは、耳にかかる部分のカーブが痛かったので調整してもらったら、数時間後には何もしなくてもずるずる下がるという状態に。
 正しい位置に眼鏡が保持されないということはともかく、ひどい近視性乱視で老眼という状態では、やっぱ眼鏡にはお金かけないと駄目だな……

 ところで近視「性」乱視というからには、ものがよく見えなくなっている主要な原因は乱視なのだと思う。他に乱視の人を知らないので比較しようがないが、テレビに映ったゲーム画面に表示されている縦長の風船(下の画像の黄緑色のもの)がハート型に見える程度にはものがぶれて見えた。

 それが10歳頃の話で、いま画像をかなり拡大して裸眼で見てみたら風船がカシューナッツのように見えたので、もはや乱視と老眼のコンボでわけがわからない見え方になっているような気がしなくもない。

 専門的なことがわからないのでどんどん悲惨な方向に推測が進んでしまうが、ともあれ、メリヤス編みの編み地が逆向きに見えてしまうのもこの目のせいなのかもとずっと思っていた。
 上に載せたのは以前編んだ布巾の途中経過の画像。棒針にかかった状態なので、編み目の方向は一目瞭然。
 なのだが。
 表編みの目はVの字状になっているのに、この目には逆V字に見えている。これに限らず、自分が編んでいる編み地はV字がさかさまになっているようにしか見えない。眼鏡をかけていようといまいと同じ。ねじり目で編むとさかさまになるのか?と思ったが、表目の編み方は基礎本に載っているのと同じ。
 じゃあ自分の編み方が下手だからそう見えるんだな、と思った。
 でも、本やネットできれいな編み地を見てもやはり逆V字に見えるので、もうこれは目の問題としか思えない。

 まあ、逆に見えようとなんだろうと別にいいや……と諦めた。きつい乱視でしかも老眼という状態のせいなのか、もはやそれ以前に編み目に対する認識能力に何かあるのか、知りようがない。どうだろうと編めているから別にいい。

 なので、2目ゴム編みが謎の見え方をしても自分にとっては通常運転。履き口から編んでいるこの靴下も、編み地を広げれば「表目2・裏目2」の繰り返しであるがゆえに(だいぶ目を凝らしたうえで見れば)きちんとV字に見えるが、
 広げなければ、逆V字にしか見えない。
 逆さまにすればきちんとしたV字に見える。
 自分の見え方がこんな状態なので、さかさまに見えようと実際に逆であろうとどうでもいいやという気分になってくる。が、それでていて編み間違いはきちんと見つけられる目なので、なんというか、自分に対して不満を抱きやすい状態になっているなと思う。良さに気づけず悪さにのみ気づく、という。
 これは精神衛生に悪いので、あんまり編み地を見ないようにしないとな……裸眼で離れて見るにとどめるか……。