古着屋でこの薄手のセーターを買ったのは何年前だったか。
シャツを探しているときにふと目に入り「変な色でいいな」と思い、サイズもまあまあ合っていたうえ安かったので買った。「変な色でいいな」って、何がいいんだろうな。昨日より前の自分がやったことの意味は正直よくわからない。
このセーターも冬になるとよく着ている。シルエットに微妙なところがあるので主に部屋着だが、薄手だからなのか動きをあまり邪魔しないところが気に入っている。色は見れば見るほど変で、未だにたまに「変なの」と思う。
編み地を見ると非常に細い糸が使われていて、こういう糸がコーン巻きで売られている「工業糸」というやつなのだろう。棒針で編むなら何号なのだろう、と考えてみるがもちろんわからない。レース針なら0.50mmあたりだろうか(適当)。編む気がしない。
朝起きて着替えるとき、なんとなく内側のタグを見てみた。そういえばこのセーターのタグをきちんと見たのは初めてだ。ろくに確認せずにネットに入れて洗濯機に放り込んでいたわけで、改めて自分の無神経さに驚く。というか、そこまで無神経だったかな。こんなにひどかったっけ。
それで、タグ。
なんだこれ…… またもやコットンである。
先日の上着に続いてまたもやコットン。ウールもしくはウール混紡だと思っていたのにまたコットン。長袖のニットってコットンで編むのが普通なのか?
あるいは最近はコットンなのだろうか。……いや、先日の投稿に書いた上着は25年前のやつだから、昔からコットンだったということか。わからん。冬の服ならウール、もしくはウールよりも扱いが簡単な人工繊維の何か、というのは古い発想なのか。
わけがわからん。結局、ウールだろうとコットンだろうと編めば暖かい服になるということなのだろうか。しかもこのセーターは細いコットン。Tシャツに使われているコットンと何が違うというのだろう。
この長いタグに何か手がかりが書いてありやしないかと読んでみたが、多言語で書いてあるから長いだけだった。
しかも手がかりどころか、ますます謎が深まる原因を見つけてしまった。
「吊り干し」という言葉はあまり目にしないような気がするが、まあ意味はわかる。ただ、平干しにする理由はわかるのだが(服がでろんとのびてしまわないように、とか)、敢えて吊り干しと書く理由がよくわからないな。しかも不要になったときのことまで書いてあるとは。 いや、よく読むと「地球のために」という理由で洗濯を必要最低限にするとかリサイクルというのは納得だが、「吊り干し」も地球のため……なわけないよな。微妙な違和感がある日本語なので、元は外国語だったものを翻訳する過程でおかしな位置にきただけなのだろうと思った。
しかし、すぐ上の中国語は自然乾燥という意味のことが書いてあるような気がする。要するに「乾燥機を使わず自然に乾かせ」というわけで、それならば環境保護につながるのは理解できる。妙に具体的に「吊り干し」と書いてあるから混乱したということか。自然乾燥と書けば済む話だとも思うが。
話はここで終わりではない。ここからが本題。
洗濯記号まで多言語というのは初めて見たが、問題は最後の行の右端にある記号だ。 文字がつぶれ気味だが、これどう見ても「平干し」だろ。 どっから来たんだこの「吊り干し」という言葉は……
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