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撮影困難

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 とりたてて愚痴りたいことも起こらず、困難なこともなく、ただひたすらに空いている時間を編むことに費やした結果。
 普通にやっても全体像を掴める写真が撮れない程度に大きくなった。

 そのため、椅子にのぼってカメラの比率を16:9に変更して腕を上げてようやく、編んでいる本人も知らなかった全体が見えた。
 たぶん標準的であろうサイズのベッドにかぶせて今このくらい。長辺はあと30cmほど長くなるので、ベッドカバーとしての用途には充分な大きさになるだろう。幅は……正確なところはわからないが、まあ足りなくなることはないはずだ。

 編んでいると「なんだか四角が曲がっている気がする」とか「糸の拾い方が微妙におかしいな、ここ」などと細かなところが目につくのだけれど、こう広げて見てみればそんなものはすべてわからない。
 ただただ、このかっこいいやつを早く完成させたいと思うだけである。

 それにしても、息抜きと称して他のものに手をつけることなく、ただひとつのものに集中して編む方がやはり自分には向いているのではないか、と思えてきた。興が乗ったらこっちのものというか。「編むのがどうにも辛い」といった苦痛を感じない限りは一点集中で進めていくことに困難をおぼえず、飽きもしないようだ。
 まあ、ドイリーの編み図を読み解いたりゴム編みの作り目をするよりも、単調に編めるブランケットの方が楽でいいや、というただ怠惰な気持ちが一点集中の要因ではないかとも思うが。