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自分には向いていなかった

 たまたま前回はハズレだったのかも、と考えてみたのだが。
 端的に云うと、もう次は買わない。

 このシリーズをはじめて買ったときに「糸を切らずに編み進めるのではなく、小さいモチーフをつなぐもの」だとわかって愕然とした。
ブランケットの(あるいは編みかけの)呪い | ハチドリの記

ブランケットの(あるいは編みかけの)呪い | ハチドリの記

 さあて困ったぞ。フェリシモのトルコタイル風レース編みキット。  まず「指定の編み針で編んでもサイズが大きくなってしまう」という問題に悩まされた。まあこれは自分の迂闊さが原因だったのだが。  同送の別のレース編みキットに附属していた2.15mmのかぎ針を指定の編み針と思い込み、2...

 だが「たまたま今回はこういうデザインだったのかも?」とよい方向に考えて今月も継続したのだが。
 少なくとも青い糸が使われているあたりまでは確実にひと続きのモチーフだろうな、と思ったのだが、そして実際に中心から青い糸のところまでは「7段のモチーフ」として独立しているのだが。

 2段目と4段目と5段目は「段を編み終えたところで糸を切る」という指示。

 7段のモチーフで、いちばん最後のほかに3回も糸を切るとのこと。

 白のみで編む場合も糸を切るんだって。

 意味わからん。

 編み図をみると「くさり編みに引き抜いていって編み始めを変えればよくね?」と思う部分もあったりして、なんでこんなくそめんどくさいことするんだか。
 そして今回も、画像にある正方形のモチーフは3つのモチーフをつなぐことで構成されている。途中で糸を3回も切る7段のモチーフと、1段のモチーフと、もうひとつの1段のモチーフ。

 全然おもしろくねえ。

 なお、前回のデザインは5段のモチーフと1段のモチーフの組み合わせだが、5段のモチーフは途中で2回糸を切る。「引き抜き編みでスタートを変えりゃよくね?」と思ったことも同じだ。

 ……あくまでもこれは好みの問題。だから次はもう買わない。いま手元にあるふたつのキットも「どうやれば何度も糸を切らずに編み進められるか」という、「ブリティッシュベイクオフ」のテクニカルチャレンジ的な(「最低限のレシピはあるけど具体的にどうやるのか?」)遊びのためだけに編む。
ブリティッシュ・ベイクオフ5

ブリティッシュ・ベイクオフ5

【NHK】イギリス全土から選ばれたアマチュア料理家たちが、10のラウンドに渡ってパンやパイ、ケーキ作りなどの腕を競う。イギリスの食文化や歴史も知ることができるヒューマン・ドキュメンタリー。

 まったく……「モチーフ」というと「色替え以外では途中で糸を切らないもの」と自分では定義していたのだが、こういう自分の期待とは正反対の「モチーフ」があるとは考えたこともなかった。
 このキットにはそれなりの大きさの糸玉がついているけれど、ブチブチ切るんだから厚紙の糸巻きに数メートル巻いたやつを何個か入れておけば無駄に糸が余らなくていいんじゃないだろうか。





 ここから編み物とは関係のない余談。

 何か月か前にNHK ONEで偶然「ブリティッシュベイクオフ」を見た。「ベイク」という言葉からパン作りの番組なのかと思ったのだが(英語がわからないので、なんとなくパンを連想した)、いざ観てみたらパンだけでなくタルトやケーキも作っている。要するに「パンとお菓子」がテーマのコンテストなのだろう。
 パンは一度も作ったことがないし、菓子作りも必要があればやるがそういう機会はほとんどない。年に1回か2回気が向くと、小麦粉とベーキングパウダーと卵と牛乳を使った簡単なパンもどきを作る程度。ずっと昔に雑誌で見たレシピが「かんたんパン」と銘打っていたからパンと呼んでいるだけで、実のところ自分の作ったものがパンなのかよくわかっていない。

 そういう程度の知識と関心であるにもかかわらず、なんだか観ていておもしろい。出てくる完成品の名前どころか用語もほとんど知らないのに、作る過程は見ていて飽きないし、2段や3段のケーキを作ってすごいデコレーションをしたり、なんだろうこのおもしろさは、という感じだ。
 わたしが最初にみたシリーズ5にはインド出身のベイカー(パン等を作る人はこう呼ばれている)が出ていて、料理に使うスパイス類を使って甘い菓子を作っているのが興味深かった。他にも素材に含まれている水分がどういう影響を及ぼすかとか、自分で作るわけでもないのにいろんなことがおもしろい。

 わたしが見たのはシリーズ5だが、現在はEテレでシリーズ6、Amazonのプライムビデオでシーズン1〜9(6を除く)が観られるので、少しずつ観ているところだ。

 NHKでは吹き替え、プライムビデオでは字幕である。だから吹き替えで観たシリーズ5を観たとき、吹き替えの誤りが幾つかあるのに気づいて、しかもその内容がかなりのレベルでの間違いだということに驚いた。
 たとえば吹き替えでは「妻の出身地」なのに字幕版では「犬の出身地」。字幕だと元の音声も聞こえるので、明らかに吹き替えの誤りだとわかった。他にも、吹き替えで「脱落したベイカーの代わりに頑張る」が、原語では「ケーキはゴミ箱に捨てない」……脱落したベイカーが失敗したケーキをゴミ箱に捨てるという経緯があったのだが、いくらなんでも飛躍がすぎる。他にも「大学で食品化学を学びたい」が「ベイキングを通じて社会貢献をしたい」とぜんぜん違う意味に変えられていたり。大丈夫か、NHK。

 ところでわたしは英語がまったく駄目なのに妙にわかるときがあるが、字幕版を観ているときにも起こる。字幕や吹き替えではフェスとかクラブとか簡単な言葉で済まされていても、原語で「レディング・フェスティバル」とか「クラブ・ハシエンダ」なんて云っているのが聞こえてきた。「セカンド・サマー・オブ・ラブ」もあったな。
 いずれも洋楽好き(少なくとも80〜90年代のイギリス音楽好き)ならお馴染みの言葉だが、そうでなければ日本ではそれほど一般的に知られているとは云えないと思う。それなのに音楽とはまったく関係ないイギリスの番組でこういう言葉が出てくるとは、イギリスではわりと知られているんだろうか? 日本でたとえると……なんだろう……視聴率の高いバラエティ番組でじゃがたらとか裸のラリーズの名前が出てくる、みたいな違和感である(いや、どっちもどんな番組だろうとテレビで名前を聞いたらびっくりするけど)。

 番組で観られるベイキングを楽しんでいるのか、断片的に聞き取れる英語を楽しんでいるのか怪しくなってきたが、このシリーズが放送されたことによりイギリス国内でベイキングを楽しむ人がかなり増えたそうだ。そしてわたしも少なからず影響されたのか、だいぶ昔にちょっと作ってみたいと思いつつ何もせずにいたケークサレを作るようになった。
 生焼けではなかったけれど、もうちょっとふくらむものなのかなとか、番組のおかげで無駄に細かいことを気にするようになった……まあいろいろ気になっても結局、食ってうまけりゃそれで良し。このへんは編み物と同じだな。



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