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キットに潜んでいた燃えないゴミ

 ブランケットを編む意欲は衰えないけれど、少し気分転換をしたくなった。ほんの少しだけ別のことをすれば気は済むので、先日のホビーショーで購入した刺繍キットの図案の転記をすることにした。
 添付の説明書を読んだら理解に時間のかかりそうな縫い方だったけれど、図案を写すだけならアホでもできそう。しかもキットには図案転記用のペン(芯だけだが)がついていた。
 説明書を読んだ限りでは、写した図案が刺繍した部分の隙間から見えそうだ。だから「熱で消える」という特殊なペンの芯が附属しているのだろう。この芯をセットできそうなペンを探さなくても書けそうなので、布の端で試し書きをしてみた。

 が。

 書けない……

 同封の説明書きに従って振ってみるが、何度やっても書けない。ペン先を見てみてもインクがまったく出ていない。インクがあるのに出てこないということは、ペン先に近い部分でインクの中に気泡が入って隙間ができているのだろうか。
 というわけで見てみると。
 気泡どころか、インクが固まってひび割れていた。ペンのインクがこんな状態になってるの初めて見た。いったい何年前のペンなのだろう。ついこないだ買ったキットなんだがな。

 こうなるとどうしようもないので捨てた。

 さて、「熱で消えるペン」なんてものはうちにはない。確かフリクションペンがそういう性質だったと聞いたことがあるが、白いフリクションペンを探して買ってくるにしても今回だけしか使わないしなあ。
 うちにあるチャコペーパーに黄色があったはずなのでそれを使えばいいやと思うも、刺繍の隙間から見えてしまう問題をどうするか。

 赤い布地にしるし付けができるような色で、洗えば落ちて、細い線が描けるもの?

 水に溶いた片栗粉とかアイシングを爪楊枝の先につけて描く、などとふざけたことしか頭に浮かばない。あとは細い糸で点線状に模様を縫って最後に抜くとか?

 ぜんぜん息抜きにならないどころか、燃えないゴミ(インクが固まったペンの芯)がひとつ見つかっただけだったな……まあ、気分転換にはなったよ。



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