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諦める

 昨年5月から編み始めた台所用マットを諦めることにした。
 少しずつ編み進めていたけれど、いいかげんメリヤスこま編みが限界。
 この編み方、単に前段の目の真ん中にかぎ針を入れればいいというわけではなく、裏側で目の右側に出さないと斜行する。

 この写真の上側と下側は同じ模様なのだが、上の方は裏側をまったく見ずに編んだ。いちいち裏を見て時間をかけた下の方とはえらい違い。
 目の真ん中にかぎ針を入れること自体やりにくいというのに、裏を見てかぎ針の頭を右側の糸の下に入れ直さなければならないという、まあ、くそめんどくさい作業に耐えられなくなったわけだ。

 わたしにとってかぎ針で編むというのは一定のリズムで進むものなので、1目ごとに裏返して「どれだ……」と確認してかぎ針を入れるのが不快でしょうがない。「あれー、なんか変かも、どうだっけ」が当たり前なレベルの棒針編みなら別にいいのだが、かぎ針でこういうのはどうにも耐えがたい。

 などと書くとかぎ針編みが得意な人のようだが、そういうわけではない。慣れの問題。
 そして130目×80段程度ではメリヤスこま編みのめんどくささに慣れることなどできなかった。慣れる前に嫌気がさした。

 嫌なことを続ける義務などないのでもうマットはここでおしまいにする。もしまたマットが必要になったら近隣のサンキに行ってその手の道具や資材を調達してくれば済むのである。我慢してメリヤスこま編みで編まなくてもいいのだ。