編み物に関しては、自分の頭の弱さを痛感することがけっこうある。しょっちゅう「バカだなあ」と思う。簡易編み図の解読なんかがまさにそれで、最終的にどうにかなるまでの過程で消しゴムのかすは山ほど出るわ、同じところを行ったり来たりするわ。
まあ、実際よくわからないままやっているからバカだなと思うのも当然である。その事実に対して悔しさをおぼえて発奮し……ということはなくて、ただ冷静に現実を認識して淡々と目の前の難問に取り組むだけだ。頭が足りないんだからしょうがない。
しかしもちろん、わたしは「どうせ自分はバカだから」と自己嫌悪に陥ることはない。物知らずであることを「平均より下」とは考えず、いろいろわかっていないレベルであることを標準と捉えている。つまり編み物において程度がマイナスという状態が存在しない前提でいるので、落ち込みようがないわけだ。
できないのが普通だと考えているのは精神衛生には非常によい。ただしそのぶん、ちょっとしたことで大喜びするので傍目には滑稽に映るかもしれないわけだが、まあそれはいいや。
そんなわけで、いまのわたしは靴下のかかとのうしろ側を編み図以外の編み方に変更できたことでものすごく喜んでいる。
元の編み図はこちら。 編み図では「両端3目ずつをガーター編み、内側の24目はメリヤス編み」だが、内側の目を「すべり目・表目」(裏側ではすべて裏目)に変更した。別に編み図通りで不満はないのだが、少し厚くすれば耐久性が増すのでは?と以前から思っていたのだ。
少し調べてみれば似たような例は見つかるのかもしれないが、やり方を調べなくても上記の方法でやってみればうまくいくだろうと考えた。減らし目や増やし目がないのだから。
それで指定の段数を編み上げた。少し幅が狭くなったが支障はないだろう。
気になったのは、右側と左側の見た目の違いである。
内側の目数が偶数なので、ガーター編み部分に接する列が左右で異なるのは当然だ。そして履いてしまえばわからないし、これはこのままで問題はないだろう。 と思ったのだが、「どうにかするにはどうすればいい?」と癖で考えてしまい、しばらく経ってガーター編み部分は目印のようなものだという説明を思い出した。うろ覚えだが、確かそういう説明だったと思う。
目印以外に何かガーター編みでなければならない理由はないだろうか、と編み地を見ながら少し考えてみたが、装飾以外に何も思いつかなかった。
この部分で大事なのは、あとで拾いやすくするために端の目をくさり目にすることだと思う。2目めと29目めが裏目やすべり目だった場合に端をくさり目にできるかどうかは試してみないとわからないが、少なくとも端のガーター編みは3目でも2目でもいいはずだ。
ならば、表を見て編むときの最後のガーター編みを2目にすれば、内側の「すべり目・表目」部分は25目にできるので、左右対称の見た目になるのではないだろうか。
なんていうことまで考えられるようになったので、自分としては進歩している気がする。かぎ針編みだとこういうこともある程度は直感で済ませられるので、それを思うとちょっと微妙ではあると思うのだが、とにかく棒針編みでここまで編み図を変更できるようになったのは自分としては進歩である。
ちなみに、次のセクション(かかとの下にあたる部分)も同様の編み方でやってみようと考えたが、元の編み図で2目一度があるのを思い出して諦めた。それはまだ難しい。
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