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何故わけわからん発想になるのか

 前身頃もなんとかやってのけた。
 たかが12段、と云ってしまえばそれまでだ。そのくらいの気概がないと乗り越えられねえぞ、と思う。

 向かって左側を編むときに「前身頃の中央があいているから、右側に減らし目がない。ということは、減らし目は割り出し通りに1段目から伏せ目をするのか?」と斜め上の解釈が頭をよぎった。初心者って怖いなあほんと。
 編んでみれば、減らし目のないところから編み始めるのだから、うしろ身頃の向かって左と同様にやればいい(つまり2段目で伏せ目をする)とわかる。のだけれど、経験値が低いがゆえに不可解な発想が出てくる。

 まあ、どんな分野においても初心者なんてこんなもんだろう。ギターだって最初は、同じフレットの離れた弦をいっぺんに押さえるには指一本で一気にやればいいなんて知らなかったもんな。
 でもギターよりもいろいろ馴染むのが遅い気がするのはなんでだろう。「あっ、たぶんこうすればいいんじゃないか」という発想が出やすくなるまでにだいぶ時間がかかっているように思える。

 ギターについては実際にギターを手にする前から雑誌でいろいろ読んでいたので、体系的ではないが多少の知識を身に着けていたと思う。ライブや映像や写真で弾く様を見て、無意識のうちに得ていたものもあるだろう。
 それでは編み物はどうかというと、まあ、子供の頃に母親から教わった表目と裏目の編み方くらいか。母が編む姿を見た記憶はなく、他の人が編んでいるのも見たことがない。誰かが編み物をする様子をきちんと目にしたのはInstagramの投稿が初めてだと思う。つまり去年。

 ならば、察しが悪いのもしょうがないか……断片的にすら知識がなくて見たこともないんじゃな。