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入り乱れる編み目

 まずは完了した状態の写真から。
 模様編み部分の袖ぐりの減らし目。伏せ目の最初にピンクの糸じるし、2目一度には白の糸じるし。
 過去にやり損ねてきた、減らし始めの段で角を立てるのは今回やっときちんと忘れずにできた。
 糸じるしを引いて強調しているけれど、とにかくちゃんと1目めも編んでから伏せた。もちろんもう片側も。

 今回の袖ぐりの減らし目は12段で行うのだが、編み地は模様編みである。減らし目のある部分だけメリヤス編みというわけではもちろんなくて、表目と裏目の混じった模様編み。そんななかで減らし目をしろという。

 一度にたくさんのことを考えられないので、いつも通り、減らし目部分はきちんと詳細編み図を起こした。
 元の編み図も詳細編み図があるのだが、記載されているのは編み目の記号(表目・裏目)で、減らし目の部分は編み地の輪郭で表現されているだけ。しかも向かって右側だけ。これだけを見ながら編むなんてわたしにできるわけがない。

 なので、毎度お馴染みの詳細編み図の書き起こし。今後、いかなる作品であろうと詳細編み図が載っていようと、着るものを編む際はこの作業が必要になるんじゃないかと思えてきた。果たしてわたしがもっと賢くなれる日は来るのか?
 いつもだったら、伏せ目や2目一度の記号以外は「|」だけで済むのだが、模様編みだからそうはいかない。だからこんな書き方。
 が、奇数段は書いてある通りの記号に沿って編めばいいのだが、往復編みなので偶数段は記号をひっくり返して考えなければならない。いっそ見たまんま編めばいいように、偶数段は裏を見て編む記号にしてやろうかとも考えたが、書く段階で混乱してきた。

 模様編みに減らし目の指示を落とし込んで、更に模様を反転させる……ここまで20段の模様編みを編んできて、既に頭はバースト状態である。表目裏目に更に伏せ目。考えるのもう限界。

 というわけで、偶数段は「すぐ下の段を見ながら編む」という方法でやるしかなかった。模様が2段ずつなのでそれを利用するしかない。そもそも目が減ってくると、模様を文字に起こしたもの(「P4・K3・P4」みたいなやつ)を見ても、いったいどこからスタートすればよいのかわからなくなるのだ。

 ちなみに、上図の2段目では3目伏せた次に表目がくるが、「107目めを表目で編んで、108目をかぶせる」のはわかった。でもその次に「106目めは裏目で編むが、そこに表目で編んだ107目めをかぶせていいのか」という疑問がわいた。

 そういうレベルでわかんないのである。
 でも、それでいいのかよくないのかを書いてある本もない。
 かぶせる目がどんな編み方だろうと関係ない気がするが正解がわからない。

 こうなるとまたもや、「拾い目すりゃ隠れるだろうからもうなんでもいいや」とやけっぱちな気分になる。実は袖の拾い目をどうやるのか覚えていないが、まあもし隠れなくて変な感じになりそうだったら、隠れるようになんとかすればいいだろう。
 要は、穴があかず、大々的に模様が乱れず、着心地も悪くならなければいいのだ。他人に贈るものがそんなことでいいのかと思うが、そんなことを云ったら誰にも何も贈れない。