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少し前の雑誌を漁る

2024/08/27
 数年前のベストアイズコレクションを何冊か手に入れた。なん……いや、まあ、けっこうまとめて。一冊一冊はそんなに厚くはないけれど、まとめて読むのはきついので少しずつ読んでいる。いる、というか最初の3冊はついさっき読んだばかりなのだけれど。
 6年くらい前のやつ。テーマは2冊が京都、もう1冊はロシア。

 ロシアというと時代によって印象が違っていて、しかも中途半端に歴史を知っている程度(主に他国との関連において得た知識)なうえ、まあ芸術的な方面はろくに知らない。テレビで目にした宮殿とかその程度。あとはカンディンスキーとロシア・アヴァンギャルド、切れ切れに見た映画の場面(『戦艦ポチョムキン』だったかと)、あとなんだろ。
 ロシアSFとドストエフスキーとトルストイならよく知ってる。マルクスは半端にかじって、クロポトキンとバクーニンはまだきちんと読めてないけれど、思想の基本的なところは知ってる。……編み物に投影するの無理な分野しか知らないっていう。

 要するに「ロシア幻想」と云われても、どのへんがロシアかよくわからないな。あっ、ロシア・アヴァンギャルドをモチーフにした作品が何点か載っていたけどわたしの理解と違ってた。最新号のダリといい、なんかわたし絵画の鑑賞に変な癖でもあるんだろうか。
 それはともかく、だいたいの作品は美麗ではあった。つまりわたしは着るのはもちろん、小物だったとしてもちょっと難しいなあ、という。でも数年後はどうなるかわからんぞ。もしかすると。しないかもだけれど。

 他の2冊の京都はというと、これまたろくに知識がない。西の都が栄えていた千年以上前の時代にのめり込んだりしたのだが、……奈良が栄えていた時代が好きで。蘇我・物部のあたりとか。飛鳥文化大好き。仏像も美術もあの時代のがいい。
 なんの因果か、京の都に興味を持つきっかけがなかったのだ。修学旅行で行った京都で覚えていることといったら、二条城の大政奉還の間?の再現人形と三十三間堂にずらっと並んだ仏像くらい。それもうすらぼんやりと覚えている程度。祇園といったら『平家物語』の冒頭に出てくる祇園精舎という単語を連想するような、そのくらい京都と縁遠い。

 なので期待せずに読んだところ。
 いきなりこれ。そう、こういうのだよ「モードなニット」って。
 こういう「いつ着るの」「これ着てどこ行くの」「動きにくさ満載」というなんだコレというのが見たいんだよ。
 と、京都とはぜんぜん関係ないところで気持ちが盛り上がる。

 でも、これだけだったな……まあでも他の作品もコーディネイトやメイクは良かった。この本の主題はそこじゃないんだけど。

 でもまだ別の意味でびっくりするのがあった。
 おお。これかっこいい。歌舞伎ぜんぜん好きじゃないっていうかむしろ嫌いだけど、色もデザインもかっこいいなあ!
 暖かそうだし、コートが必要になる一歩手前の季節に着るのによさそうだ。ちょっとこれ編んでみたい。襟元がわかんないのが痛いが、いつかサイズ調整ができるようになったら編んでみたいな。

 あとこれ。
 着たいとは思わないけれど、こういう思いきりのいいデザインは好きだ。デザイナーは外国の人らしき名前で、なんか納得。異文化をよくわからない人だからおもしろいものができる、という好例だよなと思う。外国人ぽい名前を使った日本人のデザインユニット名かもしれないけど。

 仕事でぐったりしてもはや編む気力すらなくなってしまったから簡単に書こうと思ったのに、いざ書き始めると下らないことがどんどん出てくる。そういや疲れるとこうなるんだったな、昔から。どうでもいいことが芋づる式にずるずると。