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先が見えない

 太い棒針でざくざく編んでいくから進みも早い、はずだ。が、進み具合を意識するどころではない。相変わらず変わり毛糸と滑る毛糸に難儀している。原因不明の穴があく。
 着たらどうなるんだ、これ。

 それで、今どういうかたちになっているのかを確認してみる気が起きた。編むときの状態だけではどうにもわからない。
 まあ、この状態が着たときの前身頃かうしろ身頃の姿なのかもしれないが。
 とりあえず、輪を中心に広げてみよう。
 ……いや、これは違うか。首元から編んでいるのだから、編み進めるに従って広がっていくはずだ。編み図でもそうなんだから広げ方が違う。
 正しくはたぶんこう。
 ……わかるような、わからないような。とりあえず、筒状に何かを編んでいるのはわかる。でも編み図を見ていない人が見たら、これは何を編んでいるのかわからないだろう。
 ただひとつ明らかなのは、このくらい遠ざかると原因不明の穴あきもよくわからなくなるということだ。もさもさしてるなとしか思わない。

 何がどうなるのか編んでいてもさっぱりわからないが、ともあれ、わからないままで穴あきも気にせず(発生しないよう最大限の努力はするが)編み進めていくか。