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全ほどき

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 わりと潔くほどく方だと思うが、さすがに一度完成した靴下をほどくのは躊躇する。
 だから先日の大きな靴下は、マチの拾い目がゆるかったのが原因ではと当たりをつけて拾い目までほどくつもりでいた。

 が、靴下の洗濯が終わったので同じシリーズの毛糸で編んだ靴下を重ねてみたら、明らかに目の詰まり具合が違う。どちらも編む前に毛糸をふたつに分けた際に重さを量っていたので、同じ重さだということはわかっている。さすがに長さまでは測っていないけれど、ラベルの100g420mという仕様に間違いはないと考えていいだろう。
 だというのに、同じサイズのミニ輪針を使って編んだのに、編み目の大きさが違う。靴下を重ねてみても当然、以前編んだ方が小さい。何もかも。マチも甲まわりもすねも。

 というわけで、糸始末まで終わって何日か履いて洗濯までした靴下の全ほどきを決行。
 つま先の先端にはさみを入れなければならないかと思ったが、幸いなことに両方とも糸始末の端からほどき始めることができた。ほどくなら早い方がいいらしい。軽くフェルト化していたらたぶん無理だったな。

 なお、「ゴム編みのところだけ残しておこうかな」と一瞬だけ考えた。が、ゴム編みとメリヤス編みの境目を判別できなかったので諦めた。ゴム編みの裏目で編んだ部分の最終段はわかるのだが、ゴム編みの表目で編んだ部分の最終段がどれなのかわからなかったのだ。
 未だに「裏目の隣の表目」すら見分けられないという有り様。ゴム編みとメリヤス編みを色分けしたサンプルでも編んで、判別に迷ったらそいつを参照するようにすればいいのだろうか。

 ほどいた毛糸はしっかりと編み癖がついているので、まとめて風呂場だ。浴槽とシャワーの湯気でのばそう。
 相変わらず妙な光景だ。