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内袋の設計

 編み物に疲れたというわけではなくて(でも疲れたは疲れた)、純粋に必要なので編み物を中断して内袋を作ることにした。なんの内袋かというと、グラニースクエアのバッグである。あまりに野暮ったいので、野暮ったさを通り越してめちゃくちゃクールに見えるようになったやつ。
 おばあちゃんカラーの毛糸でクールな何かを編みたいと考えていたが、これはまだまだ。更にださくするにはどうすればいいだろう? やっぱえんじ色の毛糸を使うのがいいかな。
 今の状態でも昭和な空気をまとっていることは確かだ。3年くらい前なら正気かよと思ったに違いない。

 そんなバッグの内袋は、家にあるこの生地。
 大昔にワンピースを縫った布の余り。グラニースクエアとバランスがとれていないのは承知だ。でも婆くさい布を新たに調達するより、家にあるものでなんとかしたい。あと、毛糸のバッグはくたくたなので、内側は見やすい色がいいだろうと考えた。なんとなく。

 それで袋の作り方。どうすればいいかな。まずはそのへんにあった紙でかたちを作ってみる。型紙の試作みたいなものか。
 ……いや、工作じゃないから。布で作るんだからこれはない。のりしろ付けるな。

 40年前に叔母から教わりながら縫ったきんちゃく袋をじっくり眺め、次の案はこう。
 縫い代わすれた。反対側でやり直し。
 布っぽい考え方をしたつもりだが、立方体の袋だからマチの端がずいぶん無駄になる。縫い物の発想ってこれでいいのかなあ? さすがに無駄が出すぎじゃないかこれ。

 でもこれがいちばんいろいろ解決できる気がする。縫う部分は少なくて済むし、大きさを袋に合わせるのもやりやすいような。
 ということは、どう切ればいいのかな。広げてみよう。
 ……だいたいわかった、と思ったけれど、これは布。切ったら最後な布。毛糸と違ってほどくわけにはいかないぞ。

 不安なのでもう少しまともな図を描いてみることにした。

 まず展開図はこう。底が黄色で側面は薄緑。
 マチをつけるように折るのは、布の角を持って底面を覆うようにして折ったんだからこうだった。
 で、マチになる面は端を少し落とさないと両側から布を持ってきて合わせる感じにできなかったから、ちょっと切る。
 それで縫い代をつけるとこう(青い部分)。紙の試作では入れ口のところの縫い代を省略したけれど、こんな具合に必要なはず。
 側面はマチをつけたら真ん中に縫った部分がくるので、最終的に左右の側面になる部分は少し濃い緑の部分。
 縫うところは、入れ口と、側面を縫い合わせるところだからこう。入れ口になる部分は縫い代を3つ折りにして縫う(赤)。側面はオレンジの部分を縫い合わせるとマチができる。
 で、いいのかな。

 うまくいった気がするが、こういうときの「うまくいった」はちょっと怪しいんだよな……裁縫ろくにできない自分の考えだし。

 新聞の折り込みチラシをバッグに合わせながら試作してみるかあ。型紙の試作ってどうなんだろうな。いや、チラシを型紙にすればいいか。チラシで型紙ってのもどうなんだろうな。まあいいや。