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混乱しながらも着々と

 人生初の靴下を編んだときよりも苦労しているな、と思う。当時は棒針で立体になるものなど編んだことがなかったが、マルティナさんの動画を観ておおよその流れを掴み、本に書いてある手順に沿って編んだ。そしたらまともな靴下が完成した。

 人生初の靴下を編むにあたり、ほどいたのは2回。
 一度目は、履き口を本のとおりにメリヤス編みで編み、大きすぎたり小さすぎたりせずに編めるとわかったとき。指定の号数の棒針で大丈夫そうだとわかったのと、やっぱり履き口はゴム編みがいいなと思ったのでほどいてやり直した。
 二度目は、ゴム編みを何段か編み、数日おいて再開したら裏表がわからなくなったとき。編み目がかかっている4本の棒針のうち、2本目か3本目の棒針だけ段数が少なくなっていたせいもある。要するに、気づかないうちに裏返しに編んでしまい変なことになってしまったようなのだ。
 今にして思えば、編み目の数え方が今よりもおぼつかなかったので実際は問題なかったのかもしれない。でも当時は生じた問題が本当に問題なのか、どうやれば修正できるか、などがわからなかったので、解決方法は「ほどいてやり直す」一択。

 それでは今回の16番目(全部ほどいてやり直したものも含めれば17回目)の靴下はというと、今のところ一度しかほどいていない。

 が。

 「ほどいていない」というだけであって、別の毛糸での試し編みを3回も行っている。
 まず、つま先が閉じた作り目に5本針で挑戦する試し編みが2回、マジックループの試し編みが1回。5本針での試し編みは、作り目をしたあと少し編んでよくわからなくなったりもしたので、1回か2回くらいやり直したと思う。

 編み方が変わるだけでここまで苦労するとは。

 それでもどうにかなった。
 棒針の境目部分にくっきり筋があるのはともかく、底のマチとかかとが編めた。つま先の増し目やメリヤスはぎのひどさはともあれ、ちゃんと履ける。
 ぴったりなのは微妙に甲と底の長さが数段足りなかったのか、それともこの構造のせいなのか。わからないが、妙に足にフィットするので驚いた。わたしは土踏まずが深くえぐれているので、そんな足には底のマチが有効なのか?と思った。写真では足底のマチが始まる部分にへこみが生じているが、この部分が効果的なのだろうか。
 実際のところは不明だがこれはなかなか嬉しい。足にぴったりする靴下は市販品でしか実現できないと思っていたけれど、自分の手でそれが編めるとしたら嬉しいことだ。

 残念なことに、このマチとかかとを履き口から編めるかというと、現時点では難しそうだ。単に逆方向に編めばいいのだけれど、引き返し編みの部分は単に増し目で編めばいいかとか細かい部分がよくわからない。これは編み上げたあと、図でも描いてじっくり考えなければ。

 なんだか大変なことばかりだったが、得たものは大きい。