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別糸で同じドイリーを編む

 またもや同じドイリーを金票40番で編んでみた。

 だいぶ昔になんの気なしに買った赤と、今年になってからこれまた特に何も考えずに買ってみたよくわからない色。なかなか悪くない組み合わせだぞと思ったが、こういう感じのものはどこかで見たような気がする。なんだろう。古い何か、もしくは異国の何か。中央アジア? ペルシャ? あるいはそちらの影響を受けた天平文化の何かとか。
 前回の青と灰色も悪くない組み合わせだったし、そこらへんのものを適当に使ったら絶妙な色彩でびっくりした。あくまでも編むことが目的なので、これはないぜという色合いでも別にいいやと思っていたのだが……いや、単に自分の色彩感覚が極度に寛容なだけかもしれないぞ。

 この "100 pieces of crochet" シリーズは「いずれ大きいやつを編むための練習」として編み始めたが、金票40番で編む練習にもなっている。
 ならば最初から金票40番で編めばいいかというとそういうわけでもなくて、パターンの使用糸であるエミーグランデと同程度の太さで編むことも自分には必要だ。まだまだレース編みに慣れていない。

 たとえば段の始まりと終わり。
はさみの先で示したあたりが段の始まり

 長編みのみで編まれている段に隙間ができた。糸始末でごまかしたが、ごまかしきれていない。ダルマの20番レース糸で編んだときには起きなかった現象なので、何が原因なのかいま考えている。なんでこうなったんだろう。
 どちらも段の最後で、前段の目に編み入れている部分に少し目立つ空間ができているので、前段の最後の目がゆるかったことが関係あるのだろうか。ではなぜ最後の目がゆるんだのか。
 ただ、最後の目の部分のみ隙間があるわけではなく、そうなると前段の最初の目に編み入れているところは隙間がほぼない理由も考えなければならない。前段の目の大きさが段の隙間につながらないとしても、これはこれで気になる。なんでだ。

 針の入れ方が誤っている部分もある。単純な部分なのに、どこに針をいれるのか判別できなかったのだ。お手本の画像を見てもよくわからないので、たぶんこうかなと当たりをつけて適当にやった。が、いくつかの目は針が意図しないところに入っており、結果的に不揃いになってしまった。太い毛糸でサンプルを編んで、どうすべきだったのか検証してみなければ。

 それからレース編みに限った話ではないが、糸の替え方を勘違いしていたことに気がついた。
 これはそもそも、段を編み終えた段階では目数が合っているのに、次の段を編んでいたら数がおかしいと思うことが頻発したので、段の最初と最後の目を確認するために編んだサンプル。まるっきり初心者向けなものだが、たまにわたしは根本的な部分が急にわからなくなってしまうのだ。編み物に限らず、いろんなことが。最初の段階ですぐさま理解して間違うことなくやっていたのに、何年も経ってから急にわからなくなったりする。たぶん脳内の回路が乱雑なんだな。
 ちなみに今回は、長編みの最初のくさり3目の次の目の見落としが原因らしい。なのでサンプルには、1目め(オレンジ)だけでなく2目め(水色)にも目印をつけた。長編みの最初のくさり3目はどう針を入れるのかいつも悩むところで、それで1目めもよくわからなくなって、まあ、要するにくさり目が苦手ということだ。

 それはそれとして、太い毛糸で編んだサンプルでようやく、糸を替えるタイミングを急に忘れてしまっていたことがわかった。
 基本は「段の最後の目を完成させるとき」に糸を替えるのだが、なぜか引き抜き編みをするときになってから糸を替えていた。だから変なところに前段の色が見えているのだ。
 かなり基本的な事柄を急に忘れることが続いて、大丈夫だろうかと不安に思う。