非常な複雑な気持ちで「やればできる」と思っている現実が少しばかり気に入らないものの、ともあれやっと靴下完成。
そして改めて思ったのが、「新しいことにどんどん挑戦すればいいってもんでもない」ということ。
靴下を編み始めた頃はいろんな編み方に興味がわいて、基本的なものが編めるようになったら他の編み方にも挑戦してみよう、と考えていた。
しかし昨年後半になってようやく新しい編み方に手をつけてみたけれど、初めて靴下を編んだときとはどうも様子が違う。
初めて編んだ靴下は実にたくさんのことを理解していなかったけれど(文字通り「書いてある通りに編んだ」)、ぶかぶかにもキツキツにもならず、足にしっくりくるものが編めた。2番目に編んだのは別の編み方だったけれど、それも同様にまともなものが編めた。
だというのに、靴下を十数足ほど編んだあとに挑戦した新しい編み方では、毎回のように出来が微妙。いや、履くうえで問題はないのでほどかずに履いているが、はっきりと「上手に編めなかった」と思っている。
経験を積んできたのになぜうまくいかないのか。基本的なことはある程度は理解できているのだし、極端に難しいものを編もうとしているわけではない。なのにどうして出来が微妙なのだろう。
しばらく考えてみても結論は出ない。変に知恵がついたのが悪かった、というパターンでもないようなので、けっきょく理由はわからない。ただひとつ明確なのは「つま先から編むのはめんどくさいし、短い靴下が嫌いな自分にはメリットがない」という、うすうす予想していたことが事実だったということだけだ。
そうなんだよな。わりと早い段階で、履き口とかかとを別の糸に替えて編むことができたので、「糸が足りなくなりそうな場合はつま先から」という方法は不要になったんだよな……
要するに自分は新しい編み方よりも、既にできる編み方であれこれ工夫する方が向いているのだろう。最初とその次に覚えた編み方のハイブリッドで編んだのも「もしかすると、ここはこっちの方法でも編めるんじゃね?」という思いつきが発端だったな、そういえば。
まあ極端なことを云ってしまうと、靴下は足にぴったり合っていればそれでいいし、すぐ完成させられるシンプルな編み方で事足りる。ものすごく凝った模様の靴下が欲しくなったらそのときに挑戦すればいいや。それまでは別に新しいことに挑戦する必要は全然なくて、それよりも慣れた編み方で更にされいに手早く編めればいいかな、とぼんやりと思う。
とはいえ向上心がないわけではなくて、そっちはむしろレース編みでフル回転しているような状態だ。
編み図を選ぶたびにハードルが仕掛けられているようなもので、次に編む予定の編み図もなんだこれという部分があちこちにある。いやここでこんな編み方をしてなおかつきれいにバランスとれってどうしろと……と編む前の段階でひとしきりツッコミを入れながら絶望して、それで編み始めるというよくわからない状況がレース編みに関しては恒例となりつつある。しかも、必死に頑張って編み上げたものは使い道がないのである。何やってんだ俺。
ということを考えると、ますます靴下はシンプルでいいな……
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