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右上2目一度と左上2目一度

 右上2目一度(SSK)と左上2目一度(K2tog)の話。

 このふたつの2目一度は目の傾き方が異なるので、最終的にどちらに傾いた目にしたいか、で使い分けをするようだ。使い分けの例としてよく挙げられるのはセーターのラグラン線で、それから靴下でもよく使い分けられている。

 このうち、どうもSSKはきれいに編むのが難しいようだ。「こうやればきれいに編める」というアイデアをInstagramなどでよく目にする。
 わたしもSSKに対して苦手意識がある。傾いた目がきれいに並んでくれないとか、大きさが揃わないとか。
 しかし常にそうだというわけでもなくて、何かを編んでいるときに片方がうまくいくと、もう片方がうまくいかない。奇妙な話なのだが、両方がうまくいくことはまずないのだ。

 まあでも、きれいに編める確率が高いのはK2togで、SSKのたびに「うまくいかねえな……」と思うのも飽きたので、靴下のSSKをすべてK2togに変更して編んでみることにした。目の傾きがどうおかしくなるのかうまく想像できなかったので、実際に見てみたいというのものある。妙な代物になったとしてもどうせ自分で履く靴下だ。

 まずは、かかとのうしろ(ヒールフラップ)から底(ヒールターン)に移る部分で出てくるSSKをすべてK2togに変更。ふたつの目に針先をいっぺんに入れて編めばいいので、動作としては非常に楽である。もうSSKなんかやらないぞという気持ちになってくる。
 違和感はない。
 SSKで編むといつもこんな具合に、ぼこぼことした糸が端に目立つ。
 なお、反対側は裏側で裏目の2目一度(P2tog)で編むためこうなっている。
 こちら側だけ端がぼこぼこしているのはどうなんだ、と思わないでもない。ただ、端がぼこぼこすることでかかとのうしろ側(ヒールフラップ)と底(ヒールターン)の境目ができているように思えるので、敢えてSSKを使って境目をきちんととった方がいいのだろうか?という疑問もある。少なくとも見た目としては、片方だけK2togでなめらかになっているのは妙といえば妙だし。
 要するに、好みの問題か?

 次はガセット。まずパターンの指示は画像に書き込んだ通りだが、SSKとの指示がある方もK2togで編んだ。
 もともとK2togで指示されていた方は、見た目はすっきりしている。K2togの部分で段差がついているようでいい感じ。
 で、SSKと指示されているのに敢えてK2togで編んだ方はこうだ。
 どこだろ、と思ってしまうくらい編み地に馴染んでいて、編み目の見た目も特別おかしいようには感じない。おお、これでいいじゃん。

 と思ったけれど。
 画像でもわかる通り、K2togに変更したすぐ隣の目との間がゆるんでいる。
 水色の矢印で示した部分がそうで、履くとここが広がってしまうのはSSKで編んだときに起こるのと同じ現象だ。別に大した問題ではないけれど、気になる部分ではあるのでどうにかなればよかったのだが。

 結論としては、模様の一種として使いたいなら使い分けた方がよさそうだ。だから靴下はぜんぶK2togでもいいかな、という感じ。強度にどう影響するのかはよくわからないけれど、両足に左右対称でSSKを使っているわけだはないのであまり関係がないように思える。
 とはいえ、SSKが必須な何かを編むかもしれない可能性を考えたら、やっぱり靴下でSSKの練習をした方がいいのか?とも思ったり。



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