笠石あきさんの100 pieces of crochetシリーズを細々と編んでいる。このデザイナーさんの特徴といえばまずは多用される引き上げ編みだが、今回はそれとは違ったおもしろい編み方が入っていた。
敢えて少し斜めの角度で写してみたので、外周部分で扇状のものが重なって連なっているのがよくわかる。
今回のパターンは英文と編み図。扇状の部分については写真で簡単なプロセス解説もある。
![[free] 100 pieces of crochet_005 | Crochet Kasaishi](https://akikasaishi.org/wp-content/uploads/20220522120212_IMG_02712.jpg)
[free] 100 pieces of crochet_005 | Crochet Kasaishi
こんにちは。笠石あき(@aki_kasaishi )です。 英文パターン修行100 pieces of crochet の5作目をお届けします。全5段。 今回は敢えて太い糸で編んでみました。裏返しながら編む面白さと、太糸ならではのダイナミッ
編み始める前にざっと読んだだけではよくわからなかった。編み図も、記号の意味はわかるが進み方がよくわからない。……きちんと読まないなら最初にざっと読む意味ないな。
ともあれ編み始めたら段ごとに説明をきちんと読み、最初の4段は特に難しいことはなし。編み方は簡単でも実際にやってみるとちょっと難儀する、ということがたまにあるのだが、今回はそれもない。
そして最後の5段目が問題の扇状の部分。英文をじっくり読みながら頭でイメージしてみると、編み方そのものは特別ややこしいことはしていない。途中で裏返して、また表に戻る、というだけ。ごく普通の往復編みと同じ仕組みだ。
うまくイメージできなかったのはマーカーを入れる部分だった。
次に目を拾う場所の目印で、画像のプロセス解説を見ても頭に入らない。というか、番号が振られていないため順序の理解がしにくかったので早々に諦めた。
なので英文を読みながら編み図の記号を追い、編み図の画像にマーカーを入れる場所を書き込み、それを見ながら最初の扇をふたつ編んでようやく得心がいった。
雑だけど、わかればいいので。 マーカー部分は裏側から拾うので、一瞬だけだが、糸をどう掛けるのか迷った。先に編んだ扇の下部にマーカー部分が位置しているせいなのだが、まあ、扇は無視して、拾う部分を手前に引っ張り出して(あるいは扇をうしろに倒して)普通に糸を掛けて編めば済むと程なく気がついた。
これが扇をひとつ編み終えた状態。編み地は表側。
このあと、編み図にしたがってマーカーを入れたりくさり目を編んだりして、裏返す。 グレーのマーカーが入っている目にかぎ針を入れる。 かぎ針を手前に出し、糸をかけて編む。 以降、編み図にしたがって編んでいって扇が完成するとこうなる(目を拾ったあとでまた編み地を表に返して編んでいくが、写真は裏側からみた状態)。
この部分はかぎ針編みに慣れていないと悩むところかもしれない。マーカー部分に針先を入れると裏側に出るので、左手にかかっている糸は扇をまたぐ位置にあるのだ。その状態で編むと扇を締めてつぶすことになるので、「編んだらおかしなことになった」ということが起こるかもしれない。
編み慣れていると「まさかそんなことはないだろう」と思うかもしれない。が、不慣れだと「まさかそんなこと」の前提がまず違うのだ。では何が「まさか」になるのかというと、基本的な編み方とは違う構図になったとき。
今回の場合でいうと、扇の下部の空間にある目にこま編みを編む、ということだ。オーソドックスな往復編みでこま編みを編むときには、これから針先を入れようとする場所の上に別の編み地などない。だから不慣れだと、左手の糸が扇の上にかかっていることに気づけずにそのまま編む可能性がある(出来がおかしくても「こうなるのかな?」と納得したり、何かおかしいと思っても指示通りに編んでいるので原因がわからない)。もしくは、糸の位置が通常とは異なることに戸惑って先に進めなくなる。
まさか、と編み慣れた人なら思う。こんなことしないだろ、とか。でも何をするのかわからないのが初心者。かぎ針編みを難しく感じた記憶のない自分にしたって、たぶん覚えたての頃は普通に編んだつもりで妙な事態になったことがあるのだと思う。すぐに修正できたから記憶に残っていないだけで。
だから要点を押さえて、迷わない・戸惑わない説明が必要になる。
という感じの思考が必要になる仕事をしているから、編み物の基礎本に喧嘩を売りたくなることが多いんだろうな……。
まあ、そもそもこのドイリーを初心者が編むことはなさそうだからそこまで懇切丁寧にする必要はない、と考えるのが普通なのかなと思う。でも自分の仕事においては、こういう見解は「絶対に初心者は編まない」という根拠が示せないならただの屁理屈でしかない。
で、このドイリーを初心者が編まない可能性がゼロだとは断言できない。だって初心者は、何が難しいのかなんてわかんないから。「これキレイだな」と迂闊に手を出す可能性の方がむしろ高いんじゃないかとすら思う。
なんかもう、仕事のせいでこういう思考になっているのか、もともとこういう思考なのが仕事で加速がついたのか、わからん。どうしようもないことだけしかわからん。
100 pieces of crochetシリーズはひとつにつき2回編んでいるので、使い道のないドイリーが都合11枚になった。いや、1枚はカエルの置き物の夏用座布団にしているので、少なくともひとつは使い道があるか。
先日の糸玉ポーチを編んだときに金票40番の分だけ取り出して並べてみたけれど、果たして上達しているのかどうかはわからなかった。いちばん最初に編んだものを見てみても、「今はこれよりもっとうまく編める」と云えるかどうかというと、わからない。ましなものが編めるかもしれないし、大して変わらないかもしれない。
コメントを投稿
別ページに移動します