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編み地のでこぼこ

 編むときに酒が入っているかそうでないかで明確に変わるのは、編む速度だ。酔っ払っていると簡単なところでも非常にちんたらと編んでいる。しかも頻繁に飲んだりなんだりで中断するので、ますます進みが遅い。ちっとも進まないことをストレスに感じそうなものだが、まあ、そこは酔っ払っているのでなんとも思わない。イライラせずに編めるのはいいのだけれど、遅い。いいのか悪いのか。

 それで昼にシラフで編んでみると、改めて「なんでこれだけしか進まなかったんだろう」と前夜の進捗を不思議に思う。遅くなっているのはわかっていたのに、それでもやはり遅すぎるんじゃないか。
 でも、通常の速度で編めるシラフの状態がいちばんなのかというとそうでもない。逆に「このくらい速く編めても、それがどうしたって感じだよな」などと疑問を感じてしまったりする。今すぐ必要なわけでもないし、さっさと仕上げてしまいたい理由もない。ならばのろのろと編んでもいいんじゃないのか。
 こういうことを無駄にあれこれ考えてしまうのもシラフゆえ。酔っ払っているときも思考は止まらないけれど、ここまでめんどくさいことは考えていない。

 昼すぎから黙々と編み続けて、右足のガセットの編み込み模様部分が終わった。
 酔っ払っていないのに、1目だけだが間違えた。足裏部分だからそのままにしたけれど(最近あんまり細かいことを気にしなくなってきた気がする)、それよりもっと気になることがある。
 それは編み地のでこぼこ。
 要するに、裏側にわたる糸が短いからこうなるわけだが、編み地が長くなるにつれてひどくなってきた。というか、昨日の時点でなんでもなかったところまで、でこぼこ。時間が経ったら毛糸が縮んだということなんだろうな。強く引いたままにしたつもりはなくても、多少なりとも引っ張られていれば戻るということか。
 アドベント靴下のときはもう少しましだったと思うけれど、糸の太さによって程度が変わるのかもしれない。

 どうしたものかと思う。が、この状態で履いてみても編み地のどこかに無理が生じている感じはせず、問題なく履ける。だるい手つきで編んだ目がいつもよりゆるくなっている気もしていて、これは洗濯したらどうなるのだろう。裏側の糸はのび、目は縮み、バランスが取れて問題なし、みたいな奇跡は起きるのか。

 まあ、別にどうでもいいや……完成するまでわからん。だから気にしたってしょうがない。



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