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レース糸に慣れる

 小さいとはいえドイリーを編み続けてきた成果なのか、ここ最近のドイリーやモチーフはできあがるのが早い。

 段数が少なめといっても細かい作業だし、ウールほどごまかしやすい糸でもないし、いろんな編み方の組み合わせでしかも毎段パターンが変わるし、編みながらぼんやりしていられるものではない。
 うまくパターンが頭に入らなくて編み間違うことは未だにあるが、以前よりはだいぶ減った。だんだんレース編み特有の型がわかってきたというか、「こうきたら次はこう」という幾つかのパターンに慣れてきたのだと思う。最初の頃は頻繁に「えっ次こんな風に進むの?」と思っていたのだが。

 加えて、ようやくレース糸に慣れたということもあるのだろう。いや、慣れない方がおかしいか。
 ダルマの20番レース糸、2gほどを残してほぼ使い切った。つまり48g分を編んだというわけで、これだけ編めばいくらなんでも慣れる。しかも並行して金票40番でもドイリーを編み続けていたのだから、もはや20番だと太く感じるという始末。慣れって怖い。

 だがこんな状態に至ってもなお、未だに作り目とそれに続く最初の1段だけはうめきながら編んでいる。
 20番の場合、輪の作り目であればなんでもない。かごやあみぐるみで慣れているし、20番は太いしということで簡単だ。
 しかし、くさり編みを輪にする場合が少し厄介で、束にすくうときに誤ってくさり編みの目に針先を入れてしまうことが未だにある。くさり4目を輪にしたら中心なんか見えないのだ。だから輪にする際に中心を通るように別糸を入れて目印にしている。

 今回のドイリーは更にその上をいった。「くさり4目を輪にする」という作り目までは同じだけれど、次の段は「くさり1目にこま編みを2目ずつ編み入れる」というのだ。
 こんな小さなものを指先でつまんで保持しながら狭いところに2目も編み入れなければならないわけで、しかもわたしの指先はこうなのだ。
 爪がのびてきて気持ち悪いから切らなきゃな、と思っている状態でこの長さ。爪がもっと長ければ簡単に作り目を保持できるのだろうが、この長さでは爪で掴んでも指が邪魔になるので編みにくいのだ。かといって、このためだけに爪をのばしたり付け爪を使うのは論外。ギターの弦を押さえられなくなる。
 まあ、こんな指先でもなんとか頑張って2目ずつ編み入れたが。輪の作り目に変更すればよかったのだけれど、このシリーズのドイリーはレース編みに慣れるためという目的もあるので編み図の通りに編むのが鉄則。自分でルールを決めて首を絞められるのは毎度のことである。

 自分で決めたルールといえば、次は同じものを金票40番で編むということもそうだ。
 さすがにまだ「太い」とは感じていない金票40番で、……くさり4目の作り目で、くさり1目にこま編みを2目編み入れなければならないのか……



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