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親父に靴下

 なぜ自分が無駄に編むものを増やして忙しくしてしまうのかさっぱり理解できない。でも急に「父親に靴下と、時間に余裕があれば長めのアームウォーマーを編もう」と思いついてしまったのだから仕方あるまい。
 あふれるソックヤーン在庫のなかに暗めの地味な色のOpal毛糸があるが、あんまり地味すぎてもな、という気持ちもあって、派手すぎず地味すぎでもないとなると、このあたりだろうか。
 これだ!という確信がないのが不満だが、別の色を探して買うのもさすがにどうかと思うので……いや、人に贈るものだから問題ないか……いやいや、そうやって増えていくんじゃないのか毛糸というものは。
 「あるものでなんとかできるもの」は努めてそうしないとすぐ泥沼だぞ。レース糸がまさにそんな泥沼だし。いや、あれは確信をもって選んだわけではないのでもっとひどい底なし沼か。でっかいドイリーを編みまくってなんとかしない限り抜けられない。

 ……父親に靴下を編むと決めただけなのに、なんで己の在庫を省みて自分を戒めているのか。それもこれも無節操にソックヤーンを買い込んだ自分が悪い。あとレース糸もか。
 道具だけは増えないのでまだましだと思うことにしよう。毛糸は編めば減るが、道具は編んでも減らん。