以前、母からもらった『暮しの手帖』の付録。
『暮しの手帖』第一号と、その前身である『スタイルブック』の復刻版である。パンフレットのように薄いものだが、内容はもちろんおもしろい。そして裏表紙も。 うわ、これ欲しい、と思った。男性用は「男もの」なのに女性用は「女のひとのもの」と微妙に表現が違うとか、そういう面でもおもしろいのだが、下着である。下着のハンドメイド本。 冷静に考えれば別に不思議はない。そもそも「着るものは買うもの」になったのはそんなに昔のことではないのだ。それに、介護施設で出会った入居者さまは布団を縫った経験など当たり前のようにあった。布団が縫えるならば下着が縫えないはずがないし、こういう本があってもおかしくない。きっと戦前の婦人雑誌にも、下着の縫い方が載っていただろう。
なぜパンツだけなのか。 ちなみに『スタイルブック』にも、ブラカップの作り方がプロセス写真つきで載っている。
でもやっぱりこの『家中みんなの下着』はおもしろそうだというか、ぜひ読んでみたい。老後に訪れる可能性の高い困窮生活に備えて、作れるものは作れるようになりたい(どんなに裁縫が苦手でも)という思いがあり、数年前にこんな本をメルカリで買ったくらいなのだ。
発行は1997年。なんで「彼と私の」下着、なのか謎だが(下着のペアルック?)、掲載作品はこう。 ブラジャーの方が自作したくなるのではと個人的には思うのだが(市販品でサイズが合わない人とか)載っておらず、なのにブラカップなしのタンクトップは載っているというのもよくわからない。そもそも当時はパンツとブラジャーを同デザインで揃えるのがおしゃれだと云われていたのに、パンツしか自作しないならちぐはぐじゃないか。
かと思えば「着物の裏地などをリフォーム」と妙に古めかしいことも書いてあって、なんというか、なんだろうなこの本は……90年代だぞ……。
それにしても、小さな鍋つかみを縫うのに一日がかりという有り様な自分は下着1枚にどのくらい時間がかかるのだろうか。3日くらい?
ところで先日、新しい本をしまう場所を検討する過程でかなりの本を処分した、ということを書いた。このとき処分した毛糸だまのなかに、ニットの下着をテーマにした洋書の紹介記事があったのだが、それがこれ。
ガーターベルトの機能も備えたニットのボディスーツが表紙で、目次も間違いなく下着の本だなと思わせる。 が、いざ読んでみると下着売り場的な雰囲気はあまりなく、いわゆる見せブラのようなものや、スリップだけれど糸を選べばミニドレスになりそうなものや、下着というよりインナーウェアという感じのものがけっこう載っている。どう頑張っても下着になるのはパンツだけ。「下着と部屋着」みたいなタイトルでもよかったような。 調べてみたところ、Ravelryにも幾つか作品が登録されていた。
Ravelry: Knitting Lingerie Style - patterns
なかなかおもしろい本で、日本の簡易編み図や詳細編み図のような図が載っているものもあって新鮮だ。編むならまず間違いなく最初に翻訳したり図を書き直す必要があると思うが。
毛糸地のパンツは無理としても、ウールでブラを編めば夏場の冷房に苦しめられずに済むな(シャツの下にウールのタンクトップを着てもブラは市販のものなので。そこだけは汗にまみれて乾かず冷える)。さほど大きいものでもないし、縫うより早いかもしれないし、中途半端に余ったソックヤーンで編んでみるのもいいかもしれない。下着ならサイケデリックな色彩でもかまわないぞ。
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