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使い道の(まだ)ないボタン

 昨年、奈良に行った。なぜ奈良なのかというと、とにかく歴史的におもしろい。最初は石舞台古墳や聖徳太子の不思議さに惹かれていただけだったが、気がつけば奈良が政治の中心だった時代がまるごとおもしろくなっていた。
 全体的におもしろいとなると、奈良で訪れたいと思う場所はたくさんある。ありすぎて一度の旅行でカバーするのはとても無理。なのでどうにか「今回はここ」と焦点を絞って訪れたのは、奈良市内の一部(同行した母と叔母の希望を優先)と明日香村。

 明日香村は「村」という小さな行政区とはいえ飛鳥時代は国の中心だったので(研究者によれば「当時は今のような田舎らしい雰囲気はなく、大変にぎやかだったのでは」とのこと)、まず古墳だけで300基以上、その他の遺跡もいっぱいで、これまた見たいところがありすぎる。1年くらいここに住まないとすべてを見るのは無理なんじゃないかと思う。なので「今回はここ」と目的地を絞ろうとしても、選択肢が多すぎて非常に難しかった。

 なんとか目的地をいくつか決め(なるべく母や叔母も楽しめる場所を選んだ)、訪れた場所のひとつが石舞台古墳。
 関心のない人にとってはただの古い石積みでしかないが、歴史好きにしてみれば「あの蘇我馬子の墓だと考えられているのがこれか」とか感じるところはいろいろである。そういうことを書き始めると止まらなくなるので省略。

 この石舞台古墳の周りには何もない。コンビニもファミレスもない。バスの本数も少なくてなかなか不便である。
 明日香村というところは観光資源がいっぱいなのに、観光のためにあれこれ便利にしようという気はあまりないように思える。個人的に、観光地とはこうあって欲しい。観光客向けにあれこれ便利にして場をぶち壊しにするのは本末転倒だ。

 とはいえ石舞台古墳の近くには、土産物屋とレストランが入った建物がある。

明日香の夢市 | あすか夢耕社-奈良県明日香村地域振興公社

「あすか夢耕社」こと奈良県明日香村地域振興公社が、長い歴史と豊かな自然が魅力の明日香村をご紹介します。

 どこかで古代米や地元食材を使ったごはんを食べたかったので、このレストランはまさにうってつけ。もちろんぜんぶ非常においしかった。

 1階の土産物屋は地元のおいしいものが中心で、他に染め物などの工芸品がいろいろ。旅行に行くとなぜか珍しい飴を買ってしまうのだが(地元のいちごであるあすかルビーと大和橘の飴を購入)、他にこんなものも思わず買ってしまった。
 大きなボタンの詰め合わせ。
 500円玉くらい大きいボタンはどう使えばいいのだろう? しかも癖のあるかたちで、ジャケットのボタンを付け替えるにしても難しい。でもなんだか欲しかった。無性に欲しかった。今は眺めているだけだが、いつかは何かに使いたい。



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