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アルネ&カルロスの動画をすべて観るチャレンジ #5

2024/03/29
©Arne&Carlos
 今回はノルウェー式棒針編みの解説である。
 これはもう昨年、何度となく観た。たぶんアルネ&カルロスの動画でいちばん多く観た。とにかくノルウェー式で編めるようになりたくて、というのも「裏目を編むときに糸を手前に持ってこなくて済む」というのがなんとも魅力的だったから。
 ただそれだけでwとも思わないでもないが、たったそれだけのことが重要だったりする。

●How to knit - Basics of knitting - by ARNE & CARLOS


 解説するのは指でかける作り目。いわゆる「一般的な作り目」である。いちばん最初の動画では結び目を作らなかったのに、結び目あり。
 編み針のサイズを上げるとか、目と目の間がきつくならないようにとか、そういう話はなし。この作り目だとうまくできないので、詳しい説明が欲しかったなと思う。目の間をどのくらいあければいいのか、いくら探しても説明しているものが見つからないんだよな……。

 まずは表目。表目の編み方は本当に単純な動作なのだけれど、丁寧に説明している。
 指で糸をつまんで掛けるアメリカ式でやってきた自分の場合、最初に表目の編み方を真似してみたらなんだか気持ち悪かった。たったこれだけの動作で編めるってなんなんだと。慣れたらさくさく編めて気持ち悪かった。
 実は今でもふと我に返ると「うわ……」と思う。

 カルロスが昔、糸を指で持ってかけるアメリカ式で編んでいたら、(アルネにではなく他の誰かに)遅いと笑われた、という話をしていた。
 この編み方、どういうわけか「遅い」とか「かわいい」とかバカにされがち。「かわいい」というのは、編み物を始めたばかりの幼児が編んでいるみたいだというニュアンスである。
 カルロスは「編み物競争やってるわけじゃねーよ」と云い返したとのことだが、ほんとにそうだ。他人をバカにしてちゃちな優越感にひたる暇があったらもっと有益なことをしろと思う。

 アルネがドイツ式の編み方を例にひいて「浮いている糸を編むのはすごく難しい」と云っており、この人でもそうなのかと少し驚いた。
 ドイツ式やフランス式のような糸の拾い方を難しいと感じるのは、アメリカ式しかできない人特有だと思い込んでいたのだが。ましてや編み物で食っている人なんだから、なんでもできそうな気がしてしまう(偏見)。

 でもよく考えたら、ノルウェー式で編めるようになった自分も、未だにフランス式・ドイツ式はできない。難しい。糸こっちこない。確かに、ノルウェー式は糸が指の上にあるから簡単なのだ。糸が逃げないから。

 裏目の編み方はノルウェー式のいちばんの特徴だろう。複雑な動きをしているように見えるが、覚えてしまえばとても自然な動作である。くぐって頭を出してちょっと糸をひっかけてまた戻るだけ。手首を手前に回したら勢いで糸を引っかけて反動で戻るだけ。
 アルネ&カルロスはダンスにたとえているけれど、わたしのイメージは武骨な鉄製の振り子である。

 裏目を編む際に難しそうな点を敢えて挙げるとすれば、糸をひっかける動作だろうか。が、左手で糸をちょいとかけるようにするので先端がつるつるでも問題なしである。棒針と糸と手の距離が近いが故にめちゃくちゃ簡単である。

 増し目は相変わらずの細かな説明なし。「下の目を拾うんだよ」って、いや、どのへんだよ。まあ細かいことは本で確認すればいいのだが。

 ちなみに、knit と purl と increase と decrease はこの動画で覚えた。暗記ができない脳なので、意味の手がかりとなる表意文字を使わない英単語を新たに覚えることがひどく難しいのだが、さんざん聞いたらさすがに覚えた。

 減らし目の方法はK2togと……かぶせる方法。英語だとなんていうのかわからない。表目を編むように針をいれて目を移し、次の目は表目を編み、移した目をかぶせる方法。である。セーターの前身ごろの右側ではかぶせる方法で減らし目、反対側ではK2togで、とか喋ってる。

 あとは増し目の別の方法として、かけ目(だと思う、たぶん)の説明。手前からと向こうから糸をかける方法を説明している。
 「穴ができるよ」って云ってるけど、その穴をどうしろと。模様とかかな。「覚えておくといいよ」っていうけどなんでだ。

 最後は伏せ目。かぶせる方法。cast on と bind off もこの動画で覚えたかもだ。


 このシリーズでいつになく長い記述になったのは、何度も観たのもあるけど、やっぱりノルウェー式を覚えるために英語もきちんと聞いていたからだと思う(いつもは英語の理解が乏しいので、それに比例して書ける内容も少なく……)。
 ふたりとも非英語話者だから聞き取りやすい英語なのだけれど、わからないときはわからないので、どれだけ熱心にこの動画で勉強したんだと自分を不思議に思う。

 ちなみに編み方を学ぶだけでなく、糸の引っ張り方にも驚かされた。編み目ってそんな広げていいものなのか?と。
 まあ、こんだけ広げれば糸の操作はしやすくなるし、毛糸だから伸縮性あるし、のばすの一瞬だし。

 アメリカ式では目を広げる必要性がほとんどなかったので(棒針が入ればそれでOKだから)ノルウェー式に慣れた今でも、狭い範囲で操作をしがちになる。引っ張ったらのびる感じに抵抗があるというか、のびるとぎょっとする。

 他人の手やその動きをここまで注視したことはない、というくらい繰り返し観た動画だけれど、もちろんこれだけでノルウェー式で編めるようになったわけではない。他の解説動画を何度も観たり、解説ではない編み動画を観たり、あとは自分で試行錯誤してまた動画を観て……という感じ。

 そういうこともそのうち書いてみたい。