箸休め

　わたしが住む地区のごみ収集ルートなど知る由もないが、たまには逆順に回収にまわって欲しいと思う。8時30分までに出してねというルールはいいとして、どういうわけか、8時30分とか31分とか32分にうちのマンションの前にごみ収集車が停まるのである。

　なので、2週に一度の資源ごみ（紙類）が4週間分たまった。

　何が「なので」かって、そりゃ起きられないからに決まっている。回収が土曜日なのだ。くそ忙しい仕事から解放されてだらだら過ごしていつの間にか夜中になっている金曜日の翌日に8時半に回収に来られても、出せんわ。寝てます。

　いいかげん新聞がどっさりたまっているし、捨てなければ。

　というわけで、ほんと起きたくないが今日は7時半起床。無事に新聞と少しばかりのダンボールと雑誌類をごみ置き場へ。まあ、きのうは頑張って2時前に布団に入ったしな。ちゃんと寝れば起きられるというわけだ。

　だが9時を過ぎた頃、靴下の続きを編もうと思って小さな作業テーブルに目をやると、クマが靴下に。

　あまりに絶妙な様なのでつまみ出すのも気が引けた。

　しかしせっかくの休日である。3連休だから一日くらい寝て過ごしても、と思わないでもない。が、つい最近も土曜日に一日ぐったり寝て過ごしてしまった記憶がある。仕事なんかの疲れのせいで休日を台無しにしたくはない。

　だから頑張ってノースリーブを編み始めるも、……4段で疲れた。中細毛糸で108目。慣れない金属針を使っているせいもあり、編みやすいのに進まないという奇妙な事態に陥っている。

　もうちょっと簡単に編めるもので気分転換をしたいところだが、靴下にはクマがいるし、どうしたものか。

　で、思い出した。

　セーターやら何やらですっかり中断していたが、フェリシモから毎月キットは届いていたので、そろそろ再開してもいいだろう。本当は届くたびに編みたいのだが、興が乗ったところで編み終わってしまうとがっかりするので（もっと編みたいという欲望が満たされないから）、適度に溜まるまで手をつけないという妙なルールを設けているのだ。

　余り糸でもう一枚くらい編めそうなのだが……色のセンスを持ち合わせておらず……

　で、本日の成果。

　棒針編みの箸休め的に編めるものなので、一度始めたらけっこう一気に編んでしまう。無意識的にというか、頭ではなく手が覚えて編み進める感じがあるのだ。だから間違えたとしても、よほど明白なミスでなければ気づくのが遅れそうな気はしていた。

　しかもこの編み地、糸始末が苦ではない。すべての段で色を変えているのでそれなりの量の糸始末を要するのだが、どういうわけか楽しい。なので、編み上げたら糸始末まで一気に済ませて、あれ、最初の方のここんとこ間違ってないか、なんてことになったら……どうする……

　これをほどくのは、編むことにくらべてかなり面倒な気がする。楽に編めるのも考えものだな。気をつけなければ。