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巾着の教訓

 自宅に戻ると一気に生活が乱れる。実家にいる間は健康的になっている自覚があるのにどうにもできない。この性格の怠惰さ、というか強い目的がないから駄目なんだろうな。やりたいことは恐ろしいほど全力で頑張るのに、気が向かないとやれることでもやらない。「やればできるのに」とどれだけ云われようとも、やりたくないことはやりたくない。
 ただし、嫌なことを回避するための努力は全力でやる。補習を受けたくないがために期末試験で中間試験の倍の点数を取るとか。まあ、そういうことやってるから「やればできるのに」と云われるのか。でもやりたくないことをできるのは才能なので、「やればできるのに」は「やってもできない」と同義だと思う。

 ともあれ目的があれば嫌でも頑張るので、そろそろガタがきている現在は頑張りすぎないよう制御しなければならないと感じている。のだが、昨日は駄目だったな……。

 徹夜でがしがし編んで、編み物はそれなりの速度で編んだ方が目が揃うというのは本当らしいぞとわかった(自分比)。ただし疲れる。
 中にものを入れるとこうなる。
 偶然、底が手まりのように綺麗な模様になったので、同じ模様になるように編んでみた。
 お菓子を詰めて、旅行に行く叔母と母親に渡す予定。
 編み方はこちらの記事を参考にした。
 

【動画あり】Opal の残り糸で編む、小さい巾着の編み方(大きさ3種類) – My Cup of Tea

Opalなどの4ply(中細)の太さの毛糸で編む、小さな巾着の編み方をご紹介したいと思います

 わたしは「読みながら編む」ということができない。なぜなら、いついかなるときも目数がわからないと不安だから。
 この記事でいうと手順2.の「裏編みを2周続けて編む」がそれで、作り目が64目なのだからさすがに目数はわかる。が、いちいちノートに「2〜3段目:P64」と書くのである。
 そう、簡潔に記載されているのだから読みながら編めばいいのに、自分が何をやらなければならないのかだけを簡潔に書き出すのだ。編みながら文章を読んで理解するよりは、指示だけを書いた方が余計なことを考えずに済む。
 (ちなみに、敢えて「うら」や「うしろ」など特定の言葉を平仮名にするなど、見間違えないような工夫もしている。どれだけ自分を信用していないのか)

 なので自然と、編む前にまず説明を自分用にノートに書き出すことになる(小物なら全行程、大物ならある程度のセクションに分ける)。説明がわからないとか、どうやればいいのか判断がつかないとか、迷う作業もぜんぶ編む前に済ませることになるので、いろいろわかっていない自分には最善の方法だと思っている。

 今回は増減なしで25段編むところがあったので、いったんそこまでの工程をノートに書き出した。で、編み終わったところで次の工程を書き出していたら、目数が合わないことに気がついた。
 減らし目が始まる段の指示が、その前の段の目数と合わない。繰り返しの回数を1回増やしてみても1目足りない。
 しばらくノートを凝視して考え込み、「○段目」ではなく「○周目」と書いてあるから段単位で考えずに編めるということなのだろうか、とかいろいろ悩んだ。こういうことは手を動かしてみれば結論が出るのだが、思いもよらない編み方なので頭がついていかない。想像できない。

 それで結局、辻褄が合うように減らし目をする回数を増やしたりなんだりして編み上げた。減らし目の部分がつながって模様のように見えるので、それが崩れないように気をつけたりもした。結果としてきれいな分散にはならなかったが、それなりの仕上がりになったので出来には満足している。

 ふたつ編み上げたあと、段を無視して編み進めたらどうなるんだろうな……と考えながら改めて上記の記事を読み返してみた。輪編みが螺旋状になっていることと関係があるのだろうか、とか。
 すると、減らし目が始まる段の指示が「表編み6目、左上2目一度」となっていることに気がついた。あれ? 減らし始めのときは「表編み5目、左上2目一度」じゃなかったっけ。でも指示が「表編み6目、左上2目一度」だと目数は前の段と一致するな。

 どうやら、この記述がある部分を見落として「35周目で表編5目、左上2目一度」が減らし目のスタートだと見誤ったらしい。だから編み上げた巾着は微妙に胴長で底の減り方が急。……まあ、中細毛糸で2段程度の違いだしな。別におかしくはない。

 が、ちょっと自分に腹が立つ。「おかしいなと思ったのに説明の全体をきちんと読み直すことをしなかった」という迂闊さが頭にくる。おかしくないものが完成したとはいえ、ちゃんと書いてあるんだから文字を読んで理解しろよと思う。
 普段から怠惰でだらしなさ全開なんだから、このくらいのことすらできないんじゃ救いようがないだろうよ……次から「変だな」と思ったら自分の見落としではないかと疑ってかかろう。