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ゲージと実物大型紙と気合い

 先日完成したノースリーブだが、次の1枚を編む前に無駄なゆとりをどうにかしなきゃならない。毛糸も道具もあるのだが、まずそこだ。「上にシャツ着られないほどじゃないからいいんじゃね」と思うけれど、どうせなら調整したい。

 もっと身体にぴったりさせるなら、単に身頃の中心部分で目数を減らせばいいだろう。と思ったが、肩から裾までのゆとりの程度は同一ではないので、うーん、どうすればいいんだろう。
 そこで思い出したのが、20年以上前から愛用している市販の安物タートルネック。
 冬物の引き出しからすぐ取り出せる場所に入っていたのがLサイズの方だったので(同じものをMとLで合計3枚持っている)いずれMサイズで比較し直さねばならないが、Lと較べても身幅は8cmほど大きかった。
 このタートルネックでノースリーブの型紙を作って……となると製図か。できんわ。
 それとも、ゆとりの大きい部分だけ細い棒針に替えてゲージ変えて編めばいいのかなあ。そういう方法を聞いたことがあるけれど、加減が難しいような気がする。

 じゃあ全体をゴム編みにするとか。ゴム編みだったら身体の凹凸に合わせて変形するから、ぴったり合わせるにはいいかもしれない。このタートルネックだってゴム編みだし。

 あとは70年代の編み物本かな。ノースリーブみたいなやつ載っていた気がする。あっでも載っているのは簡易編み図じゃなくて洋裁みたいな図だっけ。やっぱ製図わかんなきゃ駄目じゃね?

 考えが詰まってきたので、こういうときは「そもそも」を考えるしかない。
 そもそも、洋裁の図をもとに編む場合、何をどうすればいいか。

 まず、洋裁の図(これは「パターン」という呼び方でいいのかな)には目数も段数もないが各部の長さが書いてある。だからスワッチを編んでゲージをとれば、長さに対して何目何段必要なのかは算出できる。よし。ここはOKだ。

 パターンは直角と直線だけでできているわけではないので、斜線や曲線をどうするか。単純に考えると、実物とスワッチを重ねてみれば何段目で何目増やすとか減らすとかがわかりそうな気がする。
 あ、これが実物大型紙を使うところなのかな。自分で製図している人のブログで実物大型紙というのがちょいちょい出てきて、編み物なのに洋裁みたいなことをするのが不思議だったのだが(無知なので、目数や段数はすべて計算で出せると思っていた)、「この幅でこういうカーブを編みたい」というのは、ゲージに合った方眼紙上で実物の線を書けば目数と段数は容易にわかりそうだ。

 70年代の編み物本には、ダーツもあるんだよな……これはどうしよう。
 画像上部の胸のダーツはわかるけど、身頃中央のやつがわからなくて調べてみたら、これもダーツらしい。
【おさいほう】ダーツの縫い方

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ちょっとしたコツでダーツが綺麗に縫えるよ

 なるほど、身頃を身体に添わせるためのものか。70年代の編み物本では前身頃とうしろ身頃にこれが入っているので、ほんとぴったりに製図していたのだとわかる。
 あ、これをノースリーブに入れればいいのかな? でもどのへんに入れるべきなんだろう。……わからんな。これこそ製図の知識が必要か。

 ともあれ、ゲージとって実物大型紙を使えば斜線や曲線でどう増減すればいいのかはわかりそうだ。
 ダーツの位置を決めるだけの知識はないので、70年代の編み物本でよさげなものを見つけて、もし袖がついていたらノースリーブに変更すればいいだろうか。ノースリーブの袖ぐりは先日編んだものがちょうどいいサイズなので、それに合わせればいいのかな。肩もノースリーブと同じ幅にすればいいか。

 怪しいことを始めようとしている気がすごくするが、かつて派遣で働いていた頃の同僚が「洋裁なんてわかんないけど勘で服縫ってコスプレしてる」と話していたので、ある程度の気合いや力技でなんとかなるだろう。まあ、一度くらいこういう編み方やってみてもいいんじゃね。