一般的に知られているであろう「別糸を使ったゴム編みの作り目」は、少なくともわたしの場合はシンカーループがちょっと拾いにくい。編み地の端でごちゃごちゃやるのが得意ではないので、どうすればもっと簡単にできるだろうと考え、同じく端でごちゃごちゃやるゴム編みの伏せ止めと同じように捨て編みをすればいいのでは、と結論づけたのがいつだっけ。
試してみたらかなりやりやすくなったのだが、靴下本体から分離するために捨て編みをほどくのがそれなりに面倒だった。編み終わりの先に何もなければ伏せ止めのときと同様に糸を引けばほどけるのだが、靴下本体が続いているので地道にとじ針で接合部分をほどかねばならない。
また捨て編み部分を、たかが30目とはいえ編みにくい別糸で作り目をして輪に編むのは手間といえば手間である。
こうなると、捨て編みなしで作り目をするのと、捨て編みの手間をかけたうえでするのは、結果的にどちらも大差ないのでは。
とあまり心地よくない考えが頭をよぎってしまうが、シンカーループを拾うときに数段よけいに編み地があると拾いやすいのは事実だ。
それで解決策を見つけたくてあれこれ考えて、といっても、風呂で湯船につかりながら編み地を頭に浮かべてどうのこうの程度だが、先月の終わり頃にひとつの策にたどり着いた。
でももっとよくできないか。捨て編みは3段程度のメリヤス編みだと端が丸まってしまうが、少しガーター編みをしたあとにメリヤス編みをすればもっとやりやすくなるのでは?
それで、現在のわたしがシンカーループを拾うときに目にしている光景はこうなった。
手前(写真の下の方)のピンクの糸のすぐ上にある茶色い毛糸が、ゴム編みの作り目で拾うべきシンカーループである。 外側から見るとこうなっている。
茶色が靴下本体のゴム編み、青い糸が捨て編みで、ピンクの糸は捨て編みとゴム編みの間にある別糸である。捨て編みとは別のすべりのよい糸を一段かませることで、棒針の先なりとじ針なりで1目ずつほどいていく作業は変わらないが、すべりがよいのでほどきやすくなった。 裏返してほどくので、ゴム編み部分の裏表がわからなくなりそうな危険はあるが。 すべりのよい糸をほどいたあとで捨て編みがほどけてしまわないよう、捨て編みの最終段には白い糸を通してライフライン代わりにしている。
こうしておけば、また次の作り目をするときはライフラインの糸を抜きながら棒針に目をとっていき(糸を入れたままだと微妙にやりにくい)、ピンクの糸で一周表目を編んだあとに靴下用の毛糸で作り目をスタートできる。 端が丸まってしまわないので基本的に見やすいし、もしシンカーループが見えにくい場合も幅のある捨て編みを軽く引っ張れば一目瞭然で、格段にやりやすくなった。
小学生男子並みにけったいな案を試しているなと思うが(昨日の編み地の長さの測り方もそうか)、実際やりやすくなったのだからしょうがない。ただしここまでくると「捨て編み」という表現が適していないように感じられ、輪になっているから編み出しテープとも違う気がして、とりあえず「作り目の土台」と呼ぶことにした。自分にしか通じないな、これは。
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