©Arne&Carlos
アルネ&カルロスの動画を久し振りに見たら、ふたりが着ているセーターの見事な模様に目を奪われてしまった。
今回は特にアルネが着ているセーターがおもしろい。まるで模様のパッチワーク。よく見ると、右側の模様が左袖の肘から先にも配置されている。模様とサイズのバランスをどう取っているのだろう。赤が混じっている側の模様が妙にくっきりしているのも不思議な感じだ。白が多いからそう見えるのか、編み方なのか。
●How to make Granny squares - by ARNE & CARLOS
今回のテーマは「グラニースクエアの編み方」。グラニースクエアの編み方はたくさん目にするので、わざわざこの人たちが動画にしなくてもいいんじゃないのかな、と思うが観る。
まずは作り目。中心が輪の作り目ではなく、くさり編みを8目。
なぜ海外ではくさり編みを輪にする作り目が主流なのだろうと思うが、それならなぜ日本では輪の作り目が主流なのかとも思う。どっちも理由や根拠がわからないとき、「文化の違い」という言葉は便利だな。
最初の目に引き抜いたら作り目のできあがり。中心に穴のあいたグラニースクエアって見たことない気がするな。
次に、立ち上がりがくさり4目と聞こえたような気がした。3目じゃないのかなと思ったけれど、そのあとの長編みがなんだか変だ。何が変なのか目を凝らしてみたら、かぎ針に2回毛糸を巻きつけてから編んでいる。ということは、長々編みか?
頑張って英語を聞き取りつつ字幕も参考にしつつで理解を試みたところ、長編みが”double”だから、“treble”で長々編みということらしい。しかもこれはアメリカでの表現で、イギリスでは”double treble”だという。英語がわからないわたしはこれを「二重の三重」と訳してしまってもはや意味がわからない。なんだ二重の三重って。
イギリスだと長編みが”treble”なのだから、次は四重じゃないのか。けれども四重を意味する英語がわからず、しかも”treble”を辞書でひいたら「三重」のみならず「三倍」という意味もあるという。だったらいっそ”three times”とか”four times”の方がわかりやすいんじゃなかろうか?
いや、まあ、それを云うなら日本語での表現だって微妙に意味不明なところがあるわけだが。
たとえば、長編みに少し足りないのが中長編みだと理解しているが、なぜ「中長編みより少し多いのが長編み」という発想(「これよりも短い」ではなく「これよりも長い」という感じの表現)にならなかったのかなとか、細編みが「小長編み」にならなかったのはなんでかなとか。そもそも「細」「中」「長」という語の選び方も奇妙な感じがするし。いくらでも不思議なところはある。
思考が思いきり横道にそれていたら動画が終わってしまったので、途中から続きを見る羽目に……
で、長々編み。それならば立ち上がりが4目なのは納得だが、そもそもグラニースクエアのというのは長編みで編むものだとばかり思っていたので驚いた。そして長々編みは4目で1セット。いまわたしが編んでいるグラニースクエアは、長編み3目で1セットである。
なるほど、グラニースクエアもバリエーションがあるということか。ということは、他のモチーフもそうなのか?と思ったが、グラニースクエア以外のモチーフが思いつかなかった。もしかしてグラニースクエアというのは、もっともスタンダードなモチーフなのだろうか。
また横道に逸れた……
長々編みを4目1セット(正確には、立ち上がりのくさり4目+長々編み3目)編んだあとはくさり目3目で角をつくり、以降は繰り返し。最後は最初の目のてっぺんに引き抜いて糸を切れば完了。これが最初の段。
次の段は初めて見る方法がいろいろだった。
まず、編み地を裏返すという。これは裏表をなくすためとのことで、確かに、グラニースクエアのブランケットなどは裏表がない方が便利だ。あまり意識していなかったけれど。
それから、2段目の編み始めは1段目の編み始めの対角の位置だという。前段のおわりの部分がゆるむから、みたいなことを云っているが細かいニュアンスがよくわからない。
編み始めの立ち上がり4目以降は最初の段と同じだが、最初の4目1セットを編んだらくさり3目で角をつくり、同じ穴にまた4目1セットを編み入れるという。
わたしが過去に見聞きしたものは、常に最初の1セットは最後に編む角の次のところから始まる編み方だ。つまり、段のおわりで最後の角を編む。
それが今回の動画では、どうやら段の終わりが角の手前のセットの更に手前(くさり2目を編んで引き抜く)で終わるということか。
角以外のところでは、4目1セット同士の間はくさり2目でつないでいき、3番目の穴のところで前段の編み終わりの糸端を前段の角に添わせて、糸端を編みくるみながら編んでいく。
前段の始まりと対角のところから編み始めると、こういうことができるのか。なるほど合理的だ。糸端の処理という楽しみがなくなってしまうが。
特に目新しいことはないかもな、と思いながら見始めたが、結果的にあれこれ新鮮ですごくおもしろかった。グラニースクエアの編み方っていろいろなんだな。
なお、アルネのかぎ針の持ち方はてっきりノルウェー式なのだと思っていたけれど、本人曰く「変わった持ち方」らしい。よく見ると右手の人さし指を、かぎ針に添えたり離したりしているが、かぎ針の角度を変えているのだろうか。そしてやたらと速い。これで長々編みの高さを揃えられるのか。
やっぱりこの人の編み方は興味深いな。
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