すっきりしたのに懲りずに、と我ながら思う。しつこい性格だなほんとに。
棒針編みの引き上げ編みのやり方は2種類ある。いや、かぎ針編みでも表引き上げと裏引き上げの2種類あるわけだが、それはともかく棒針編みの2種類のやり方は仕上がりも違うのだろうか?という疑問がわいた。
どちらのやり方でも最後は下図のように編むので、結果は同じような気がする。
でも実際はどうなんだろう。普通の作り目みたいに、どっちでもやりやすい方でOKという話なのだろうか。 なので試してみた。
以下、編み方を「目落とし」と「糸掛け」と区別することにする。
「目落とし」はこの方法。
「糸掛け」はこれ。

引き上げ目(引き上げながら編む)
引き上げ目(引き上げながら編む)のページです。
向かって右が「目落とし」、左が「糸掛け」。「目落とし」はあとで目を落とすので4段はそのまま普通に編むことになり、「糸掛け」は都度、糸をかける必要がある。そういう意味では「目落とし」は途中までなんにも意識しなくていいので楽。
でも、引き上げるときに手間がかかる。
いざ引き上げるとなると、こういう位置関係で。
慣れた人ならすぐ目を落として、それから引き上げる目を拾えるのだろうなと思う。しかしわたしは慣れていない。なので、まず引き上げる目を左の針で拾う。 それから、黄色い糸の目を落としながら右針で拾っていく。 最後に落とす目は引き上げる目(青い糸)に挟まれた状態になるので、いったん引き上げる目を右の針に移して 落とす目の最後の目を左針で拾って 引き上げる目と、先に落として右針で拾っていた目をぜんぶ左針に移して 編む(写真では裏編みの面が手前だけれど、引き上げをする段は表編み)……「目落とし」って引き上げるときがなかなか面倒だな。いや、自分の技量のせいか?
一方、「糸掛け」の方は段ごとに糸をかけてきているので、すでにこの状態。
で、編むとこうなる。 上の段にガーター編みを足してみたらこうなる。 完全に同じ、ではないな。 裏返してみても明らかで、「糸掛け」の方が引き上げた目が大きい。
つまりこれは自分の技量の問題。 ならば今度は、色を変えて試してみると。
編むのが下手でわかりにくいが、やはり「糸掛け」の方がカーブがしっかりしているように見える。というか、かけた糸があまり盛り上がっていないから、編み地に馴染んでカーブも鮮明なのだろうか。 いろいろよくわからないが、使い分けはなんとなくわかった気がする。
サンプルの編み地のような、引き上げる目とは別の色で編んだ部分を模様のようにしたいのであれば、「糸掛け」の方が悪目立ちしない。
他方、引き上げる目の部分だけを別色にするなど、引き上げる目自体を模様のように使いたいのであれば「目落とし」の方がよく目立つ。
みたいな感じか?
まあ、慣れない編み方だし雑な編み方だし、これが正しい判断なのか怪しいところだ。しかも引き上げる段以外は裏編みという編み地なので、表編み側でやるならまた結論は変わるかもしれない。
今後、編み図に「引き上げ編み」と書いてあるだけだったら、どういう効果を期待する引き上げ編みなのか、できあがり写真をじっくり眺めてどちらの方法で編むべきなのか判断しないとだな。
そもそも引き上げ編みに限らず、複数の編み方がある場合は自分でサンプル編んで確認した方がよさそうだ。スワッチ編んでゲージとるのと同じ。もうこれは経験をいくら積んでも毎回やるべきのような気がしてきた。
結局のところ、棒針編みについてはいつまでも初心者気分でいた方がいいのかもしれない。
なお、「目落とし」で引き上げる目がわからないとき、編み地を引っ張ったり日に透かしたりしている時点で未だに初心者だろと気がついた。
ただでさえ編み目のどこがどれだか見分けられないのに(視力の問題というより理解できていない)、色まで違うとわけわからん。
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