やっと編めた靴下の片方は、新たに挑戦する編み方なのでそれ以外のことはないがしろ。棒針の間に生じた溝も、気になりながらも敢えて看過。
しかし、かかとを過ぎてしまえばあとは増減なしに編むだけで、それに飽きてくると、この溝はどうにかならないものかと編み地を眺めたり引っ張ったりしていた。
この溝については、過去にいったんは解決策を見つけたと思ったのだが、それでもどうもうまくいかない。かと思えば、何も意識していないのに溝が生じない場合もある。そういうものだと割り切る道もあるが、なんとかしたい。
先に載せた写真の部分を裏返してみると。
棒針の先で示している部分が溝の裏側で、ひっくり返ったU字のようなかたちの糸が、他の部分よりもゆるんでいる。だから表側からみるとこの糸の分だけ広がり、溝になっているわけだ。棒針の間の糸がゆるみやすいのはわかっていたが、編んだ結果がこうなっているとは知らなかった。
ゆるむのならば、きつくすればよい。
誰でもすぐに思いつく解決策だが、実際やってみると「きつく編んだのにちっとも変わらない」というのは珍しくないし、「ゆるまないようにと思ってきつく編むと逆効果」という説明すら見たことがある。「ゆるみを取るためなのに『きつく編んだら駄目』だという理由は何か」と疑問に思ったが、そこは編み物の世界。対面で質問でもしない限り、何故そうするのかという説明はないのが普通。
「ゆるんでいる」という前提が誤りなのだろうかと考え、改めて棒針の間をよくよく見つめてみる。
右手に持った棒針の最後の目が広がっていることも考えると、明らかに棒針の間をわたる糸が長い、つまり、ゆるんでいる。なのでこの付近の糸を棒針の先であちこち引っ張ってみた。すると、左手に持つ棒針の最初の目がやたらと大きく引っ張れることに気がついた。
ちょっと待て……
あまりに糸が余りすぎていないか、これ。
原因はともかく、こいつを引っ張ったら棒針の間の糸が短くなった。ならば、最初の目をぐっと引っ張ったあとで、次の目をぐっと引っ張り、
更にその次の目を引っ張り、
……と繰り返していくと、だんだん引っ張れる糸の長さが短くなっていく。最初の目の糸のゆるみが分散されていくということなのだろう。
各針の最初で目を次々と引っ張り、それから編む、という方法で編んでいくと、見事に溝は解決した。編み地を横に引っ張ってみても、工夫をしながら編んだ段とそれより前の違いは歴然(ピンクの部分の下にある白い糸のところまでが、工夫をしなかったところ)。
よし!と思ったが、この方法は正直めんどくさい。手を抜いて3目くらいでやめてしまうと、その辺りの目がゆるむ。
目を引っ張るのと編むのを同時に行う方法はないだろうか。
しばらく考え、「目に棒針を入れて横に広げる」という代案を思いついた。上に引っ張るのを横に変えただけだが、ゆるんだ糸が引っ張られることに変わりはない。
写真は2目めを編んでいるところ。オレンジの糸が棒針にかかっていた目で、あほかというくらい長い。
それが5目めくらいまでくると、ここまで短くなる。
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