かぎ針はジャムか何かの空き瓶に立てておけば済む。これならすぐに取り出せるし片付けやすい。問題はただひとつ、目当ての号数を探すのがちょっとだけ面倒だということ。
すぐに見分けがつくのは、くすんだピンク色の5/0号と、きらきらと輝く金色の6/0号。1本だけある両かぎ針(5/0号と7/0号)は5/0号の方にキャップをしているので見分けはつくけれど、7/0号はあまり使わないので何号だったかよく忘れる。100均のジャンボ針は使っていないのでサイズも覚えていない。青っぽいグレーの太いやつは何号だっけ。
あとはすべてつや消しのような金色。
ならばやはりもうこれは、かぎ針ケースが必要であろう。未だ棒針ケースを作れていないのに(むしろこっちの方が必要性が高い)、これはというデザインのものを見つけてしまったので、「ほんの少しだけ探しにくい」というのを口実に編むことにした。なお、編みかけは絶賛放置中である。
まずは基本サイズ(2/0〜10/0号)用にと見つけたデザインはこちら。
Aluminum Crochet Hook Case pattern by Priscilla Hewitt
From the website: This case is worked all in one piece and folds like a book. The hook “pockets” are crocheted into the case! This case holds 10 hooks…a complete set sizes B to K.
説明によれば、パターンのウェブサイトはデザイナーさんが亡くなったため既に閉鎖されているという。これは困った。
幸い、この作品を編んだ人はかなりいるようなので、ひとりくらいはプロジェクトページにパターンのURLを載せているかもしれない。それを手がかりに、昔からちょいちょいお世話になっている
https://web.archive.org/ で調べてみるとするか。
プロジェクトの一覧を見てみると、シンプルなデザインであるせいなのか皆さん自分好みの色で、ちょっと工夫も入れたりして自由に編んでいらっしゃる。そしてわりと新しい日付のものがたくさんあった。
ということは、今でもパターンにアクセスできる可能性は高い。そしてそのヒントは間違いなく誰かのプロジェクトページだ。
※オリジナルのURL
http://priscillascrochet.net/free%20patterns/Needleworkers/Aluminum%20Crochet%20Hook%20Case.pdf
iPhoneで見たときは1ページ目しか表示されなかったので焦ったが、Macではきちんと表示されたので一安心。でも印刷したらちょうどインクが切れてまた焦った。幸い、最初のページがほんのちょっとかすれている程度なので読めるが、問題はここからだった。
まず、度量衡がインチ表記……これまでは海外パターンであってもセンチメートル表記か、センチとインチが併記されているパターンしか見たことがなかったので、こういうこともあるのかと少し驚いた。まあ、あるよな。
おまけに「1/8」や「3/4」などの分数表記だったので、検索してすぐ出てきた換算サイトでは計算できない。しょうがないので対応表を探して計算機を使う。相変わらずの「編むまでが大変」な状態である。
それにしても、日本語では「4分の1メートル」という表現は一般的ではないので、「4分の1インチ」というのがとても不思議に思える。計量カップならあるけど。じゃあインチを使う国の定規には分数の目盛りもあるのかな。
で、これは小物だけれどきちんとゲージをとらないと駄目だなと自分を戒めたあと、編み方を読んでみた。特に明記されていないが、おそらくアメリカ方式の記述。
かぎ針編みの記述方法はアメリカ方式とイギリス方式があるので要注意なのだ。まったく違う用語を用いているならまだ話は簡単なのに、同じ用語で意味するものが異なるのはどういうわけか。いや、アメリカ英語とイギリス英語からしてそうか。確か "pants" がアメリカだとズボンでイギリスだと下着。イギリスではズボンは "trousers" だけどこれってアメリカだと何を指すのか。ややこしいな。
パンツの話はともかく、棒針よりはまあ編み方のわかるかぎ針編みの英文パターンは……自分の知っているかぎ針編みと細かい部分が違った。
編み地の返し方が「時計回り(clockwise)」なのはまあ、そういう方法もあるのかなと思う。時計周りか反時計回りかで編み地の端の様子が変わるから、デザインによって変えることはありそうだ。
しかし、長編みの直前に「くさり2目」というのがわからない。しかも、くさり2目は長編み1目と見なさないようで、ならばこのくさり2目はなんなんだ。立ち上がりの目ではないし、飾りにも見えないし、用途も不明。でもここは書いてある通りに編むのが正解だろう。編めばたぶん「なるほど」と思うはず。
そこまではなんとかなった。しかし、2段目で "the hook pocket" という言葉が出てくるところで詰まってしまった。かぎ針を入れる部分を指しているに違いないが、読み進めていて急にこの単語が出てきて、どこに向かって編んでいくのかわからなくなった。
かぎ針ケースの短い辺を底にして編んでいくのはわかったけれど、この肝心な部分がわからない。万にひとつ、"the hook pocket" が何か独特な編み方の一部だと想定して検索してみたが、やっぱりそういうわけではないようだ。
困ったので、Ravelryのプロジェクトページで見かけた動画のURLをもういっぺん探して観てみることにした。YouTubeのURLはそのままだろうと短縮だろうと内容の見当がつけられるものではないが、このかぎ針ケースに関係のある内容であろう。
と、ためらいなくクリックしたが、これが偽装サイトだったら一発でアウトだ。もちろんそんなことはなかったけれど。
●HOW to CROCHET HOOK CASE HOLDER - DIY Tutorial Storage for Hooks by Naztazia
動画を観て、やっとわからなかったところがわかった。なるほどこれはわからんわ。もういっぺん英文を読み返してみても、この文章がこの動画になるのがわからない。こないだ、レースのおもしろいドイリーの海外パターン見つけたんだけど大丈夫かな、このレベルで。
とにかくこれで編み方はわかったので(動画の英語はわかりやすくてよかった)、うちにある毛糸を見つくろってゲージとって編んでみよう。
ちなみにこの動画の主は自分でもいろいろと作品をRavelryでも公開しているようで、眺めていたら瓶より使い勝手がよさそうなこんなものも見つけてしまった。
Crochet Hook Holder pattern by Naztazia
This crochet hook holder works up fast and easy and is made over an icing container (preferably cleaned out first). The inside section is adjustable so you can store both traditional and ergonomic handle hooks.
これは使用中の棒針を立てておくときに便利そうだ。いま使っている瓶でもいいのだが、棒針は長さがあるため、鍋に放り込んだときのパスタのように放射線状に広がるのが地味に厄介。それを防ぐのにうってつけだ。
あとこれ。
Face Mask Emoji pattern by Naztazia
Crochet a face mask smiley ball emoji to help you get through this time! Plus this amigurumi is a good reminder to take your face mask out with you!
単にかわいい。こんなもん編んでどうすると思うけど。いや、頭にとじ針を刺しておくのにちょうどいいかも。
編み図やパターンにも、寄付ウェア(
ドネーションウェアというらしい)みたいに任意で支払いができる仕組みってないのかな。こないだのレースのドイリーといい、編んで楽しかったものにはきちんと対価を支払いたい。
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