iPhoneでパノラマ写真を撮ったのは人生初。
ここが広いのか狭いのか判断しようがないのだけれど、ちょっと買い物をしながら見て回って2時間くらい。じっくり見たり、さっと眺めたりの差はあるとはいえ、けっこうかかったな。 とにかく前知識を何も持たずに行った。入口にフロアマップがあったけれど、手に取ってそのまま鞄に突っ込んだ。ぜんぶ見るつもりだし、急いでどこのブースに行きたいという目的もなかったし。そういえばサイクルモードのときもこうだったな。
ただ、区画が整然と区切られているから道を1本ずつ歩いて回ればいい、という目論見はあんまりうまくいかなかった。壁沿いに並んでいるブースを眺めているうちに道を曲がるのを忘れたり、1ブロックをぐるりと回ってしまったり。つい「あれなんだろ」と目についた方向へふらふら向かってしまい、道を外れてしまうのだ。
まあこれは仕方がないというか、そうなるのが自然なのかもしれない。何も目的がないから順番に回るつもりだったけれど、気になるものがあればそちらに行けばいいし、見落としたところはあとで行けばいいし。ここは無限に広がる屋外ではなく、あくまでも大きな箱の中なのだ。
もうひとつ誤算があった。
入口を入ってエスカレーターを降りて、さてどちらに行こうかと少し考えて左に進むことにした。これがまずかった。ほどなく内藤商事のブースに着いてしまったのだ。
ホビーショーで何をするという目的はなかったが、「もし内藤商事のあみぐるみキットがあったら物色しよう」とだけは考えていた。ただしこれは「もしあれば」であって、別になければないでそのうちネットで買えば済む話。
だったのに。
つい……。 これからたくさん歩き回るというのに、しょっぱなでこれだけ買ってしまった。「ニョロリン見つけた! あっ、緑のカエルあった。なりかけちゃんかわいい。もういっこのへびもあるしジンベイザメもあるじゃん」と怒濤の勢いで手に取るという……。なお、かばは置いていなかった。あれば欲しかったのだが。
両手に抱えてよしこれでいいやとレジに行く。レジのお兄ちゃんに「いっぱい買いましたねー」と云われたが、もしかして普通はこんなに買わないのか。でも確かにそのあと見て回っているときは、大荷物の人はあまり見かけなかった気がする。レジに並んでいる人はたくさんいたというのに。
どうであれ満足感でいっぱいである。いきなり荷物が増えたけど。
そしてほどなく、すぐ近くで見つけた亀のブース。金亀糸業という糸の会社で、実は小学生のときに使っていた裁縫セットに入っていたのはこの会社の糸。糸巻き台紙に陽気な亀の絵が描かれていたので、すぐにあの亀だとわかった。
驚いたのは、Anchorの刺繍糸がどどんとディスプレイされていたこと。日本で刺繍糸といえばDMC・オリムパス・COSMOが主流で、Anchorはほとんど目にしたことがない。というか、国内で売ってんのかなとすら思っていた。まさか「つよい糸」の会社で扱っていたとは。 そばには「はたらくのりもの」と銘打ったピンクッションのキットが並んでいる。新幹線とか。「はたらくくるま」もある。なんだか小さなブロックのセットみたいだなと眺めていると、ダブルデッカーがあったので思わず手に取ってしまった。ロンドンに憧れはないがこれはかわいい。
更に亀グッズにも目移り。手ぬぐいやら何やら、亀だらけ。今どきこういう風合いの亀が世間にウケるのだろうかと思うが、これだけあるということはアリなのだろうな。さんざん迷ってキャンバス地のバッグは思いとどまった。もうひと回り小さかったら買ってた。
亀スタンプを押した袋に入れてくれた
というわけで、内藤商事のあみぐるみキットまとめ買いに続いて、ダブルデッカーのピンクッションキットを購入。この調子でまだろくに回ってもいないうちに荷物がどんどん増えるのだろうかと軽く不安になる。
が、買い物の勢いはここまで。あとは見たこともないようなあれやこれやをひたすら見て回る。アンティークな感じのレースとか、ビーズとか、ボタンみたいな謎の何かとか、普段ならまず目にする機会がないあれやこれやがいっぱい。どうやって使うのかわからないものすらある。じっくり見たり、ブースのスタッフさんに尋いたりすれば、手芸についてかなり見聞が広がりそうだ。
出展者のほとんどは日本の企業や個人経営者だったようだが、中国企業のブースもあった。あとはPrymの日本代理店と……マラブリゴも代理店なのかな。欧米企業のブース(代理店ではないブース)はなかったような気がする。
来場者もほとんど日本人のようで、一度か二度くらい中国語が聞こえた。うちの近所ではベトナム語や中国語を耳にするのが普通になっているので、日本語ばかりが聞こえてくるのは変な感じがする。ビッグサイトに来るまでの間にたくさん見かけた外国人も、会場内では白人女性をひとり見かけた程度。
なんだか、ここだけ30年前の日本みたい。
ふらふら歩いていたら、北欧雑貨がテーマらしいブースを見つけた。
ヒンメリがいくつか飾られていたのでまじまじと眺め、アルネ&カルロスのクリスマスボールのキットを買うか迷い(本やパターンを持っているので思いとどまった)、同じくアルネ&カルロスデザインのRagiaのソックヤーンが50g450円で投げ売りされていたのでまた迷い(持っている色だったので思いとどまった)。
あれこれ見て回っているうちに、だんだんと衝動買いできなくなっていったように思う。値段で思いとどまるというより、普段のように冷静に「今これは必要だろうか」とか「使い道はあるだろうか」などと考えるようになっていた。アンティークのボタンなんかは思い切って買ってしまってよかったような気もするのだが。
それでも衝動買いしてしまったものといえばこれ。
袖山株式会社というブースにPrym製品がたくさん並んでおり、実はこのほかにパッケージがかっこいいピンにも惹かれたのだが、最終的にこれだけ買った。正直、使うのかどうか疑問はある。しかも990円という値段の衝動買いは、自分の場合ちょっと考えるレベルである(500円なら迷わない)。 でも以前、ブログ「Knit up!」で見て便利そうだなと思ったのでつい買ってしまった。何がなんでも縫い針に糸を通すときは、道具を使わずに頑張っているというのに。

こんな鳥さんが欲しかったんだ
手縫いのミニポーチが一つできたと思ったら、もう一つ二つとまた作りたくて、ファスナーを探しにお店を見に行ったら、なんかすごくかわいいピンクの鳥さんを見つけてしまいました。その名もBirdy(リンク先:
まあ、30年後に必要になっているかもしれないし、それより前に頑張る気力がなくなるかもしれないし。未来に備えて買ったということにしておこう。
それから、Nelie Rubina というブースでこんなものを衝動買い。
幅広のリボンを3本。 これが今回いちばんの衝動買いである。
だって、使い道がない。
ないというか、使うにしても左端のモノトーンのものはともかく、スパンコールをあしらった刺繍がされている2本はどこで切れるというのか。スパンコールを避けて切るにしても、金色の糸の刺繍は連続しているのでほつれないようにする必要があり、どうやってきれいにほつれ止めをして隠せばいいのか。
どこをどう考えても「どうすんだこれ」なのだ、が、これはほとんど一目惚れで……このブースではインドの手芸に関するものを扱っているらしく、それがわたしの趣味に合わないわけがない。
そもそも店先(?)のモニタで「細いかぎ針にビーズを通して布に直接編みつけていく」みたいな解説をしているビデオが流れていて、なんだそれおもしろそう、と思ってしまった。帰宅してから調べてみたら、ペルシャの影響もあるなどと書いてあってもうど真ん中である。
1.Aari(アーリ)刺繍 ~ インドで始まりヨーロッパへ - 手芸雑貨 Nelie Rubina
手芸雑貨店ネリー ルビナは手芸家せばたやすこのお店です
ただ、ビデオで解説しているのがどのキットなのかわからず、でも何やらここはおもしろそうだと見ているうちに見つけたのが例の幅広リボン。しかもリボンの地の色が紺か水色かでさんざん迷い、どっちも素敵なので両方買った。本日いちばんの衝動買い。かつ、新たな分野に関心を持ったと実感できたブースはここだけ。
本日のまとめ。
結局のところホビーショーというのは「巨大な手芸屋(実演販売と体験あり)」みたいだなと思った。サンキに行って用具を見て「こんな手芸があるんだ」と思うのと基本は一緒。ただし、規模がでかい。 こんな認識でいいのか……
帰宅してフロアマップを見たら、別の階にワークショップスペースがあったことに気がついた。そういえば、ビッグサイト内の案内掲示も2方向の表示があったような記憶。
ワークショップのほかに「世界の手仕事」や「アンティークマルシェ」というコーナーもあったようで、見ておけばよかったかもしれない。でもまあいいや。1フロアだけでも充分楽しかった。
コメントを投稿
別ページに移動します