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編みかけをやり直す

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 またかよ。

 と、さすがに自分でも思った。ほんっっと、ほどいた編み直すの好きだな自分。
 まあこれはごく最初のほうでいっぺんほどいたのと、作り目をやり直した程度なので、大したことではない。というか、よく考えたら過去に靴下の履き口を5回ほどいているので、麻痺しているんだろうな確実に。ちなみにこのときの編み直しの結果、シンカーループを短期間の間に210回も拾ったおかげで別糸のゴム編みの作り目がぜんぜん苦にならなくなったというオマケがある。いいのか悪いのか。

 今回ほどいたのはこちら。
 編みにくくて難儀しながらもどうにかここまで編んだけれど、かなり久し振りに編もうとしたところ、もやもやした挙げ句にほどいてしまった。
 編みにくいがゆえに放置してしまったというめんどくささなのに、また苦労を繰り返すのかよ、と思う。
 でもなんだかそのまま続ける気になれなかったというか、ここしばらくのレース編みで「すこしは技量があがっているはず」と変な自信がついてしまったようなのだ。なので思い切って編み直す気になった……なってしまった。

 ほどいたやつは糸が極細という点ではドイリーと同じなのだが、6/0号のかぎ針で編むという絶対的な違いがある。細い糸を細い針で、ではなく、細い糸を太い針で、なのだ。ついでに云うとドイリーは円形という型があるので、編み方が多少不安定であってもそれなりのかたちになるが、これは往復編みのショールである。不安定さがもろに出る。

 そのへんまで考える前にほどいたのでなおさら自分バカじゃねと思う。

 唯一、細い糸の目を拾うことが以前よりも楽になっていたことだけが救いだ。編み始めた頃は正直なところ判別が難しいことが少なくなかったのだが、金票40番のドイリーのおかげでわかりやすくなった。
 それから、小さなコーンに巻かれた糸の取り回しが改善できたのもよかった。
 かぎ針をナイフ持ちにしてがっちり編んだかごに、コーンを通した棒針を挿したら糸を引き出すのが非常に楽になった。さほど力を入れなくてもうまい具合にからから回ってくれるのだ。

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 動画ではワイヤーかごが使われているが、手近にあったかぎ針編みのかごでもうまくいった。糸をかけている左手の指を動かすだけで糸が引き出せるので、靴下を編むときも敢えて糸を外側から使ってこの方法で編みたいくらいである。
 ただしその場合、毛糸と棒針の摩擦が邪魔をしそうな気がするので、プラスチックや金属の棒針を使うか、糸玉の芯に紙筒を通した方がいいだろうな。

 ともあれショール。
 そういえば、単純なのになぜか編み方のパターンがなかなか頭に入らなかったのだが、編み直しを始めたらすんなり記憶できた。なぜだ。ドイリー効果か、もしかして。