細々と編み続けているセーターだが、前身頃の半分ちかくまできた。
後ろ身頃はまだ未完成。というのも袖ぐりの減らし目を理解しなければならないのと、前とうしろで編み地の大きさが変わるんじゃないかという恐怖から、まず袖下までを編んでいるわけだ。
袖ぐりを減らして編む指示のことが一般的に「割り出し」と呼ばれているのだろうか。要は、簡易編み図の「2-1-2」とか「3-2-2」なんかの数字の羅列のところである。
調べてもなかなか求める内容に行き当たらず、やっとひとつ動画を見つけてなんとかなりそうなのだが、改めて本を眺めていたら新たな謎が。
なんだこの襟のカーブにある記号は。「入」や「人」みたいな記号は2目一度だと思うのだが、「\」「/」の意味がわからない。目が傾くことを示しているようにも見えるが、減らし目でそれは実現できるのではないか?
いろんなことがわかっていないので、基礎本とセーターの掲載本に目を通した。
掲載本には編み方の基礎的なページもこの記号の説明もなく、基礎本2冊にも載っていない。
基礎本…………基礎とは。
なんかもうまじうんざりだ、と腐った気分でいたら、ふと母からもらった本を思い出した。昨年、実家に行った際に処分されずに残っていた2冊のうちの1冊。
本というか、まあ、冊子かな。雑誌の付録だったらしい。
背景に文字がまぎれており「1987年か」と思ったが、よく見たら「'81」だった。昭和56年かあ。
「暮しの手帖」以外の雑誌をうちで見た記憶があまりないので、母はこの冊子目当てで「主婦の友」を買ったに違いない。もらったときにざっと目を通してはいたが、改めてじっくり見てみることにした。
画像ではだいぶ軽減されているが、厚手のわら半紙のような紙面はかなりの茶色で……
あっ。
他のどの本にもなかった簡易編み図の解説!!
うわあ。これで割り出しの意味わかるじゃん。単位のない数字が長さだっていう説明もあるじゃん。さすが独習ノートと題名つけてるだけあるな。この薄さ(35ページ)でしかも付録でこれだよ。雑誌のオマケより基礎をおろそかにしている基礎本ってなんだよ。
などなど考えながら読み進めると、更にびっくりなページが。
指でかける作り目の説明なのだが、いきなり結び目も作らずにスタートである。
ああ……
過去にさんざん苦しめられた結び目、もしかするとわたしは母から教わらなかったんじゃなかろうか。糸をかける動きは覚えていながら結び目程度を覚えていないのが自分でも不思議だったのだが、昔は結び目なんか作らないの普通だったんでは……
画像ではやや見づらいかもしれないが、実物でははっきりと色分けされており、動きが明確に理解できる記載になっている。
そして、メリヤスはぎの説明がこれまたなんというか。
この図解と説明文なら理解できるぞ……今ではもうわかっているけれど、わかんなかったときにこれを読んだら確実にできたと思う。「表を見て突き合わせ」るということが、図で見て理解しろではなくきちんと言葉で書いてあることで、いきなりやってみる感が軽減され、何もわかっていない初心者は安心できるのだ。
うちの基礎本2冊は図のように針を通せとかそんな程度で急に「これを繰り返します」って、基礎ってなんだろうほんとに。それともベテラン向けの基礎本なのか?
どうも基礎本に関する話になると喧嘩腰になってしまうが、ともかくこの付録の目次はこうだ。
基礎本なんか買わずに、実家の本棚を漁った方が早かったなと思う。これから何かあれば、基礎本はもちろんネットよりもまずこれを開こう、と思った。表紙の裏には針の号数と毛糸の太さの対象表が載っているから、似たような内容のブックマークも消そう。
あと、こういうものは初めて目にしたのだが、裏表紙のこれである。
ゲージの目数・段数から、望む長さにするには何目・何段必要なのかがわかる表。今時は簡単な計算方法でやるのが一般的だろうか。
たぶん昭和の頃も計算していたに違いないが、「いっそ早見表あればいいんじゃね」という発想は好きである。
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