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まずは作り目をどうするか

2024/03/29
 以前、1目ゴム編みの作り目を軽く試してみたことがあった。
 そのときは片方を編み終わっており、いくら自分用でも片方だけ作り目が違うのはどうかなと思ったので、きちんと練習するのは先送りにしていた。

 が、途中でセーターという大きなものをどうにか編み上げたせいもあるのか、「ゴム編みの作り目くらいきちんと覚えなきゃ」という思いが大きくなってきた。そんなことより指でかけるタイプの作り目を覚えた方がいいような気がしなくもないが。

かぎ針で編みつけた作り目

 次なる靴下はハイソックスなので、履き口の伸縮性も更に必要になるだろう。なのでゴム編みの作り目は最優先課題である。
 愛用の昭和56年の冊子には1目ゴム編みの作り目(往復編み用)しか載っておらず、でもセーターを編んでいる間に「昔はこのくらいの情報から想像力を働かせて更に先に進んだのでは?」と思えてきたので、頭を使ってみよう。これを輪にすると……

 いやちょっと待て。
 次に編むのは表目2・裏目1の変則ゴム編みの靴下だった。

これの長いやつを編むよ

 いきなり難しくなった。
 いや昔の人はこの説明で2目ゴム編みの作り目もできるようになったに違いないし……とも思う。このくらい頑張れと思う。が急に弱気になってしまい、ネットで情報を探すことにした。

 でも情報が見つからない。あるのは1目ゴム編み・2目ゴム編み、あとはブリオッシュ編み?イギリスゴム編み?の作り目。
 苦しまぎれで「2x1 rib cast on」で探して出てきたのはTubular cast onとかいうやつである。確かこれは「ゴム編みの作り目が苦手な人はこれで代用できるよ」という感じのブログ記事で見かけたもの。
 じゃあこれでいいか。

 と割り切れないのがわたしの厄介なところだ。

 おそらくゴム編みの作り目より簡単であろう方法を選んだ方がすぐに靴下に取りかかれて効率的なのに、「面倒な方法を覚えておいた方があとが楽」という謎の論理から抜け出せない。Tubular cast onが通用しないときに改めてゴム編みの作り目を学ぶよりは、という考え方。その逆もあるかもしれないが、言語能力の98%が日本語であるわたしがそんな場面に遭遇する確率はかなり低い。

 あとは単純に、わたしは簡単な方法ばかり覚えていたらいつまでも一問一答式の知識しか身に着かないので、将来的に応用がきかない。習得する際にそこそこ頭を働かせないとわからない方が、その過程で目的以外のことも知る機会が増える。少なくともわたしはこうなので、諦めて自分に付き合っていくしかない。なんでこんなめんどくさいんだ。

 そんなわけで、昔ながらのゴム編みの作り目を応用して変則ゴム編みの作り目を考えなければならない。
 いつ靴下編めるんだろう。

 自分に絶望しかけていたら、こんな情報を見つけた。

【ブックレビュー】びっくり!表2目、裏1目のゴム編みの作り目があるんだ! | 横浜大倉山&東京杉並の編み物教室 ニットスタジオ104日記


 まさに求めていた情報が日本語の本に載っているらしい。これはメルカリで探すしかないかと楽な方向に逃げそうになるが(言行不一致)、どうもここで紹介されている本、少し前に何かで見た気がするぞ。
 確かあれは……と思い出しながら調べてみたら、見つかった。
 セーターを編んでいるときに編み物の理屈に関する参考書の少なさにキレかけたわけだが、実は編み終わってからもずっと「どうすれば自分の調べたことの正解・不正解がわかるか?」という疑問は消えず、解決方法を調べ続けていた。そして最近ようやく、上記の復刻本の山を知ったという。

 本について書き始めると止まらなくなるのでやめておくが、とにかくいま求めている「表目2・裏目1のゴム編みの作り目」が載っている本があるのはわかった。本に載っているということは、そういう作り目はアリなわけだ。

 だが、すぐ手に入らないかもしれないし(オンデマンド出版のため)、そもそもしばらく節約生活である(海外からレコード取り寄せ)。

 なので、「表目2・裏目1のゴム編みの別鎖の作り目」をどうするかしばらく考えよう。