今回の半袖プルオーバーの山場のひとつである前立て。
まず、58目から51目拾うという襟ぐり同様の一大事業から始めなければならない。
調べてみたところ襟ぐりの場合と違い、拾う場所はどこでもいいようだ。……つまり、自分で均等に飛ばす場所を決めなければならない。
この「どこでもいい」は本当に初心者にとってきつい。慣れない作業を自由にやれと云われても、要点がわからないから必要最低限のやるべきことがわからない。なのでうまくできない。
しかしまあ、とりあえず拾い目については「均等にやった方がいい」ということだけはわかっている。あと、基礎本のポロカラーの説明で「端は巻き増し目をする」と書いてあったので、拾う目数は2目減らした49目にすればいいのだろう。
なのでノースリーブの袖の拾い目と同じように、分散減目の計算方法で目を拾わない位置を計算した。
が、計算結果に納得いかない。勉強したノートを見ながら計算したのに結果が妙。というか、めんどくせえなと思いながら身を入れずに雑にやったから悪いんだな。
いつもならきちんと真面目に計算し直すところだ。しかし本日のわたくしは起きたら13時近くだったので慌てて洗濯をしたりなんだりで、きちんとする気力がもうない。
なので、しばらく考えて「5目拾ったら1目とばすのを繰り返して終わりの方で適当になんとかしよう」という結論を出した。
その結果。
なんとかした。 向かって右側よりも前立て部分の長さが短くなっているが、これはこれでいいのだろうか。まあ、7目減ってるから当然か。
カーブがない場所なので、拾わなければならない位置が決まっていない。こういう場合、今回のように雑にやってもなんとかなるようだ。と捉えることにしよう。
あとはねじりゴム編みのゴム編み止めをすれば、向かって左側は完了。これは男物なので、こちら側が下になる。
だから次はボタン穴のある側を同様に拾い目をして編んでいくわけだが、ここでとんでもないことに気がついた。
向かって左側はボタン穴がないので編み図通り(最初の2目と最後の2目が表編み)にゴム編みを編めば済んだが、反対側はこの図の通りに編めないのではないか。だって、裾側から編み始める図だよこれ。 拾い目は編み地が下にある状態で行うが、編み地を上側にして拾い目をすればいいのか……? そんなことできるのだろうか。編み地の裏側にある糸を拾うって難しいような気がする。かぎ針で1目ずつ引き出して棒針にかけるのも滝汗をかきそうだ。
しかも、もしそれができたとしたら表側を見ながら2段目を編むことになる。
2段目は通常は裏側だから、編み図で表目と書いてある部分は裏目を編む。でも表を見ながら編むんだから、今回に限っては編み図の表記は裏側からみた図だと解釈するのか……?
でも、そうなると1段目はどうすればいいのか。拾い目はすべて表目で記載されているので、この仮説にもとづいたら拾い目が裏目にならなきゃいけない。しかしここはプルオーバーの表側に出る部分だ。
ということは、裏返して拾い目をするのか? 基礎本をみると裏メリヤスからの拾い方は表と同様のようだ。が、そうすると前身頃の端が表に出ることになる。だからこの方法は絶対に違うだろう。
ならば結局どうすりゃいいんだよ……
見落としていることがあるのでは、と思い直して全体を端から端まで読み直した。
しかしやはり、問題の箇所については先に載せた編み図と、まとめの図以外に情報がない。
厄介なのは、この編み図は別デザインのものとまとめて掲載されていることだ。なので前立ても、男性用プルオーバーと女性用ベスト(前立てあり)の共通の編み図が載っている。別々になっているのはこのまとめ方の図だけだ。
この編み図は3パターンの作品が載っていて、31番がこの男性用プルオーバー、32番が女性用ベスト、33番が男性用Vネックベスト、となっている。
だから載せる内容も番号順になるのではないかと思っていた。つまり、31番と32番で同じデザインだが向きが変わる場合、31番用の図を載せて「32番はこうする」という注釈がつくのが自然なのではないかと無意識のうちに考えていた。
この雑誌は番号に意味を持たせるつもりなど微塵もないらしい。 ということは前立ての編み図も、女性用ベストを前提とした図である可能性がある。向かって左側にボタン穴がある方の前立てがくるのであれば、この図の通りに編めるのだから。
なんだか……うん、こんな書き方をしていることに気づけて良かったよ……
編む前にあれこれ推測したり調べたりしなきゃならない場合が多すぎる、と事あるごとにキレてきたが、割り出しの表記方法だけでなく注記の載せ方までじっくり読み込んで推測しなきゃならないなんてな。
32番のまとめの図には襟や前立てについて数字がごっそり抜けていのるで「すぐ上に載っている31番を参考にするしかないのかな」と推測しやすいが(その旨の注記がないのが信じられない)、それなのになんで襟は32番用の図を載せて「31番はこう」と注釈を載せ、前立てについては注釈すらないんだろうな。
それに32番のまとめの図には袖の拾い目数の指示があるが、31番にはない。これって、31番は「すぐ下に載っている32番を参考にするしかないのかな」と推測するべきなんだろうか。なんでここだけ指示が省かれまくった32番にだけ載っているんだろう。この雑誌の編集部の編集方針ってどうなっているんだろう。
とかなり控え目に腹が立つあれこれを列記してみたが、わたしがまずやるべきことは、前立ての編み図の書き直し。裾側に段の終わりがくるように書き直さなきゃならない。
あと襟も、図に載っていない端が表目2目で終わる旨の自分向け注意書きを書いておかないと。
そもそもこの編み図、袖の1目ゴム編みが偶数なのに詳細編み図も注記もなかったんだよな。
簡易編み図にもゴム編みの端の目を示す記号がなかったので、「表目ではじまって裏目でおわる場合のすくいとじってどうやるんだろう」と基礎本で調べてみたら、そんな方法は載っていなかった。代わりに端が表目2目の場合が載っていて、段のはじめと終わりのどっちを2目にするのか迷って結局、終わりを表目2目にしたという経緯がある。
ひどい編み図で編んでいる。という気がしてならない。
コメントを投稿
別ページに移動します