持て余しているソックヤーンをどうするか、という問題はとりあえず靴下を編んでいきながら考えることにしたが、実のところ靴下を編むペースが落ちつつある。
これまでは「靴下」と「他の何か」を交互に編むようなかたちで編み物をしてきた。手があいたらとりあえず靴下、という節もあった。が、好きなものを好きなときに編んでやろうと開き直ったら靴下どころではなくなったというわけだ。
さて、他のものを編むとなれば当然、毛糸が必要になる。母から受け継いだ毛糸をうまくやりくりできるだけの能力はまだ足りていないため(小物を入れるかごを編むとか、小さなものしか発想できない)、編み図が指定する毛糸(またはそれに近いもの)が増えていくことになる。
財源は先月の45時間分の残業代。それなりの金額である。毎月このくらい残業すれば高価な毛糸も臆せず買える。だが残業した分だけ自分の時間と気力が減っているわけで、絵に描いたような本末転倒だ。金はいくらあっても困らないがこういう増やし方はするべきじゃない。残業せずに競馬で小銭を増やす方がよっぽど効率的だ。
競馬で思い出したが、わたしの住む市には競輪場があり、しかもそれなりに近所である。休日に散歩がてらちょいと出かけて賭けてくるのもよさそうだ。いや、賭けなくてもチャリのレースは基本的におもしろいからな。そのうち行ってみるか。
で、そんな腹立たしい残業代を元手に買った毛糸が届いた。
白い枕みたいな代物が届いてさすがにびびった。比喩ではなく本当に枕サイズでしかもちょっと重い。毛糸なのに重い。いや、2kg分の毛糸なのだから当たり前か。子供の頃に「100kgの鉄と100kgのわたのどちらが重いか」というクイズを見かけたが、どっちも100kgだから同程度に重い。それと同じだ。モノがなんであろうと100kgは100kgだし、毛糸は2kg。なんとイメージとは恐ろしいものか。
枕の中身は巨大ブランケット用の毛糸である。100gの玉が白黒それぞれ10個。作者は1玉50gの毛糸で編んでいたので、この倍の40個くらいを相手にしていたのだろうと思うと背筋が寒くなる。まるきり同じものが個人の家に勢ぞろいする様は非日常すぎておっかない。
ブランケットは先週から試し編みを始め、まだ試行錯誤中だ。そしていつものかぎ針編みのようにはいかないということもわかってきた。なので、1年がかりになると結論づけた。
100g玉20個を向こう1年保管するのかよ!とキレずに済んでいるのは、ソックヤーンと違って明確な用途と期限があるからだ。ソックヤーンも靴下を編むという目的はあるのだが、「この靴下」という特定の目的はない。他方、届いたばかりの毛糸は「1年かけてこのブランケットを編む」とはっきりしているから、それが心理的な違いを生んでいるのだろう。良し悪しはあれど、少なくとも今回の場合は定義づけが役に立っている。
それから茶封筒の方はこれ。
この程度でもウッとなるが、用途は決まっている。これから編むものを着たときに上着にするものを編むための毛糸だ。 本来であれば、これから編む方が完成する頃に買えばいい。だが古い本の作品なので指定糸は既に廃盤で、そのため慌てて探して買ったというわけだ。こちらの期限は「遅くても来年の冬」だが、この下に着るものが早く仕上がれば早く着手できるので、期限も前倒しになる。
合計3間分の天袋を使いこなせないでいたが、こうやって毛糸を入れておくのにうってつけだったとは。 この量を最長1年、保管するわけか……
まあ、安売りの新鮮な大根を1本買うようなもんだ。わたしは葉つきの大根を見つけるとつい買ってしまい、一人暮らしの1週間の献立が大根まみれになる。不満はない。半分に切って売られているものよりも1本まるごとの大根の方がうまい。さあこいつをどう料理してやろうと考えるのも楽しい。
大根はともかくとして、好き勝手に編むと決めてから買った毛糸はこの他にもある。そちらは紙袋ひとつに収まっているが、それでもそれなりの量であることに変わりはない。
なので、紙袋に入れておいた方はこうして、
まとめてこう。
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kolibri
あんこさん、コメントありがとうございます。
普通は現実と向き合わなくてもいいんじゃないかと……というか向き合わないのが普通なのかな、と編み物関係のブログとか掲示板を見ていると思います。むしろ「知らないうちに増えているのが当たり前」「勝手に増えてる」などと割り切っている方が多いような。わたしも、それが本なら増えても(むしろ勝手に増えて欲しかったり)ぜんぜん気にならないんですけどね。。。
あんこ
こんにちは♪
わたしにも「かわいい!」だけで買ってしまい、何を編むか決めていない毛糸がいっぱいあるので、kolibriさんの、とりあえず何を編むのか決まっていないたくさんのソックヤーンを見て、あぁ、考えないようにしていた現実と向き合わねば…と思いました( ´艸`)