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人生14番目の手編みの靴下

 鬱々と仕事に神経を削られながら、合間をみて編み続けてやっと完成。

 KFSの昨年のクリスマス毛糸で、でもこうやってみるとそんなにクリスマスでもない。どうやら、元はOpalのあるシリーズの毛糸をクリスマス用として販売したということらしい。

2023-11-10【予告】「メリークリスマス」発売! | KFS Official Blog

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 ちなみに今年はクリスマス毛糸というものは販売されない模様。ならばまたこの毛糸を、と一瞬だけ思った。毛糸玉の状態だと「こんなもんか」くらいに思ったのに、編んでみたらずいぶん気に入ってしまったのだ。
 しかしすぐさま、どうすんだコレという量のソックヤーンを思い出して冷静になった。
 向こう数年、ソックヤーンは買わなくてもいいというか、買うな自分。

 さて今回は「別糸のゴム編みの作り目をうまい具合に仕上げる」という課題があったわけだが、たぶんうまくいったと思う。
 これだけの伸縮性なので充分。糸が引きつれる感じもないので問題なしと云っていいだろう。やればできる。問題は、次回も同様にやってのけることができるかということだ。

 この靴下は母のルームソックスになる。なのでなるべく足を締めつけないようにと気をつけた結果、いい具合にゆとりができた。大きすぎるわけではないけれど、ぴったりきっちりでもない、という。

 高齢になると足が浮腫みやすくなるので、最初に贈ったような全体がゴム編みの靴下の方がいいのかもしれないが(というか、それがためにゴム編みの靴下にしたのだが)、すねの部分が長くなると少し心地がよくないときがある。
 何が心地よくないのかというと、「ずり落ちそうでずり落ちない」という感じだ。もちろん多少はずり落ちる。ただし、すねの部分すべてが足首のところにバームクーヘン状態で溜まることはない。まさに「微妙にずり落ちている感じ」がちょっと落ち着かないのだ。

 だから締めつけないゴム編みを履き口にして、それなりの長さのあるメリヤス地の靴下にしてみたというわけだ。このタイプだとすねの長さが20cmくらいあっても、全体がゴム編みの靴下よりはずり落ち具合がましというか、違和感というほどでもないのだ。それは自分の足で実証済みである。
 靴下というのはなかなか奥が深い。

 今回の靴下の重さは67gで、残った毛糸(2玉で左右を同時に編んだ)は67gと65g。予想していたよりも残ったので、まず自分用に同じものを編むのは確定だが、これだけあれば揃いのリストウォーマーも問題なく編めそうだ。
 だいぶ円背になったせいなのか、母の手首のあたりが寒そうに見える。ソックヤーンで編んだリストウォーマーならそれほど厚くはならないし、そもそもソックヤーンはたくさんある。母の手首は暖かくなるし山ほどのソックヤーンも消費できるしで一石二鳥である。

 親のためと称しつつ自分のためというのはひどい話だが、わたしの座右の銘は「やらない善よりやる偽善」である。動機はともあれ、なんにもしないより何かした方がいい。自分の本心を疑って苦しむよりも、開き直って偽善にいそしむ方がずっと人の役に立つ。