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次に編むもの

2024/08/07
 編みかけがなくなってしまい、次に編むものは決まっているのだが、製図の知識がないのでえらく大変になりそうなジャストサイズのノースリーブと、多少なりとも製図の知識が必要になりそうな実際のつま先の形状に合わせた靴下という、すぐに着手するのが困難なものばかり。

 なんで同時にこんなもん編みたくなったんだ……

 それは措いておいてすぐに編み始められるものを編めばいいじゃん、とは思う。が、自作のいいところは自分の望むかたちに仕上げられるということなわけで、実際にそれをやってみようという気持ちになっているのに別のものに気持ちを向けるのは難しい。

 でもまあ、先延ばしにしていたあみぐるみは編もう。自分用に編むつもりだったのが、急遽叔母に贈ることにして、そのあともうひとりの叔母にも贈り、どうせならと母にも編むことにしたやつだ(この3人は姉妹)。この母に贈る分がまだ着手できていないので、これは近いうちに編み始めることにする。

 それで不意に、長いこと放置していたこの毛糸を思い出した。
 何年前のやつなんだろう、ということでメールボックスを漁ってみたら、たぶん短期間だけ編み物を再開していた2007年頃。17年……
 編み物以外のことにかまけていて、途中まで編んでほどいてそのまま放置されていた模様。編み図は雑誌から切り離して保管していたので、今なら編めそうだ。

 ていうか、当時だったらわけわかんなくて投げ出していただろうな、これは。
 簡易編み図だけではなく詳細編み図も載っている親切設計なのだが、ボタンで留める襟なので前立てがよくわからなかっただろう。
 いや、なんだこれ今のわたしでもよくわからんな。「左前端はすくいとじ」って、この左右は編み図に向かったときと着たときとどっちで考えればいいんだ?
 しかも詳細編み図は洋裁の型紙よろしく複数の作品を重ねて記載しているので、どの線に沿って編めばいいのか判断できない部分がある。背景が白い部分がわたしの編もうとしているものなのだが、どの線に従うべきかは……簡易編み図の割り出しが理解できないと判断できない。
 おまけに袖ぐりの減らし目も詳細編み図になっているが、片方しか載っていないのでもう片方がわからない。2007年当時は「2目以上減らす段は左右で1段ずつずれる」なんてことは知らないのでできなかっただろうが、2024年現在のわたしも図にないもう片方のどこで何をやるのか書いておかなきゃわからんぞ。

 17年前に中断しておいてよかった……。
 もし編み進めていたら、今は編み物なんか絶対にやっていなかったはずだ。なんだこのわけわかんねえものはとキレて投げ出していただろうし、そもそも当時は作り目の結び目で大変苦しんだ挙げ句に棒針に対する長年の苦手意識を持つ羽目になったので、そこでこんなもん見たら死ぬまで編み物などやろうと考えなかっただろう。いや、当時の編む意欲の薄さを正当化しているつもりはないが。

 なんでこんなもん編もうと思ったんだろうな。見るからに難しそうというかめんどくさそうなんだけれど、編み物のことをろくに知らなかったから、洋裁のノリで考えて簡単にできそうな気がしたんだろうか。
 わあ、めんどくさそう……。

 でもこれ、おっさんが着てもよさそうな気がする。そうだうちの父に着てもらおう。指定の毛糸は17年も寝かせていたが手触りがいいコットンなので、まあ部屋着にでもしてもらえればいいか。スワッチ編んでネットに入れて洗濯してみて、問題がなさそうなら父用、そうでなければ自分で着よう。

 ノースリーブで苦戦しそうな気がしているだけに、こちらはめんどくさそうだがまだ難しくはないように思える。すでに簡易編み図2着分と格闘済みだし。
 とはいえ、まずはこの編み図をもういっぺんきちんと読み込んで、課題の書き出しをしなければ。詳細編み図に載っていないもう片方の袖ぐりも減らし目の位置がわかるように書かなければならないし。すでにクソ暑いから、早く着手しないとな。