はじめて靴下を編んだとき、いちばんおもしろかったのはかかとだった。
仕組みを理解せずに本の通りに編んだので、ふーん、おお? へえ、なるほどー、という感じに、これがこうなってこうなる的な楽しさがあった。
マルティナさんの動画で観てはいたのだが、実際にやってみるといろいろ驚きがあり、楽しかった。
●5本棒針で編む靴下【How to knit socks】
「初心者にとって靴下でいちばん難しいのはかかと」という文章をたまに見かけると、「初心者に靴下の編み方を説明する際にいちばん難しいのはかかと」の間違いじゃないかなと思ったりする。
まず手編み靴下のかかとがどういう構造になっているのかがわからないと、何がどうなるのか想像しにくい。ヒールフラップとかガセットとか何それである(かかとの「うしろ側」と「底」でいいのかな)。靴下を3足編んでも、マチが果たす役割が未だにわからない。
対面で人から教わることで続いてきた面の強い文化だから、教え方も「こうやるのよ」的な要素が強いのではないかと思う。だから編み物を人に教わらずに本などを参考にしてやろうとするときは、「書いてある通りにやってみりゃいいんだよ」と開き直れないと難しいなと思う。
本に「とにかく書いてある通りにやってみましょう」くらい書いてもいいんじゃないか。
そんな編み物の理屈を説明しているのは男性が多いということをきのう書いたが、性別はともかく、編み物の理屈に触れられるものをいくつか挙げてみる。
まずはメリヤス編みの裏編み改善方法に関する話。
佐倉編物研究所の人が書いている連載記事のひとつで、これが最新記事。約1年前。
……もっといろいろネタ持ってると思うんだけどな。週1くらいで更新してくれないかな。
ともあれ、「解決するためにどこに着目するか」というのが勉強になった。
たとえばギターのアンプから音が出ない場合、まずはシールドがきちんと刺さっているかを確認するが、それで解決しなければアンプの電源とか、ギターのボリュームとかを確認する(順番とかは個人差あり)。
それでも駄目なら、シールドが断線しているかも?と疑って、シールドを替えてみる。
編み物に関しては、自分の場合はシールドが抜けているとかそういうレベルでしか考えていなかったのだが、この記事を読んでから「そうか、断線しているかもしれないレベルでも考えればいいんだな」と気がついた。
なので、編み針から外れた目を戻す方向をようやく覚えられた。それまでは「目の右側を手前にしてかける」という説明を見ても、そもそも目の右と左を説明されていない人間には理解不能だったのだ。
おまえは初心者のときに説明なしで理解できたのかよ!と書き手に腹が立ったりした。
しかし今は上記の記事で構造に着目すればいいと学んだので、編み地で目がどういう状態になっているのかをまず確認し、右の棒針で編んだら目がどういう向きになるかを見て、ならば左の棒針にはどういう状態でかかっているのが正解か?を考えた。
それでやっと「目の右側」が理解できた。5本針で編んでいるときに誤って次の針を引っこ抜いても慌てずに目を戻せるようになった。
と書くと自分の頭の程度がけっこう心配になってきたりするのだが、最初はなんにもわかってなかった自分も今ではエレキギターのトラブルシューティングが普通にできる。要するに経験値の違いだ。だってギターと編み物じゃ経験年数えらく違うもの。
とにかく、困ったときは構造である。自分の場合は。
構造といえば、こちらもなんだか勉強になりそうな気配である。
YouTubeにも動画での解説があり、というかむしろYouTubeが本編でブログは補足くらいなのかもしれない。動画よりも文章と図の方が理解しやすい身にはちょっと辛いところ。でもゴム編みの構造とかはぜひ理解しておきたい内容なので、いずれ頑張って観ようかと思う。
あとこちらも。
この人もおそらくYouTubeがメインなのだと思うが、ブログもそれなりに分量が多く、YouTubeが補足になっても問題なさそうな気配がある。
ただし、英語である。
いや、書いている人はもしかしたら母語がドイツ語かもしれないので(ウィーン在住)、ならば母語が日本語の自分も頑張れと思うのだが、どれだけ勉強しても英語はつまんなくて頭に入らず……それよりも古事記を訓み下し文で読むとか、照らし合わせながら原文に挑戦する方がおもしろく……(ドイツ語の理屈はおもしろいけど。"neubauten" 一語で "new building" の意だとか仕組みが好き)
まあ、でも、母語が英語でないからなのか読みやすくはあると思う。「なんとなくこんな感じ」でけっこうわかったりする。
どうしても理解できないとき、単語を覚えられないため頻繁に辞書を引かねばならないのが手間で嫌なのだが、本当に困れば頑張って読むであろうことを未来の自分に期待したい。
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